稜線から下りてくる秋(1)〜9月の山々

この秋の紅葉の美しさは格別で、私は頻繁に山に入り、心を染めるような秋景色を撮ることができた。
先般の大雪山(黒岳から旭岳)に続き、東大雪(糠平、然別湖、音更山)を始め、遠くは知床・羅臼岳、また大雪の愛山渓〜沼ノ平、夕張岳東麓のトナシベツ渓谷、日高山麓のパンケヌーシ川、秋田県の鳥海山と充実した撮影行。記録整理の暇もないひと月を過ごした。どの撮影行もそれぞれ印象深い。

■東大雪/音更山は撤退、然別湖のナキウサギに会いにいく

私は東大雪の静かな山域が好きだ。訪れる人が少ないことは深刻な問題でもあるが、やはり静かな山はいいものだ。そこには何か別の時間が流れているような大きな感覚が残されている。

東大雪の森で

東大雪の森で

9月半ばのある日、十勝三股の十石峠から音更山(おとふけやま)を目指した。石狩岳に隣する音更山はコースが長いこともあり未だに登頂していない。この日も朝から雲が出て登るにつれて空が暗くなってきた。ついに稜線が白いガスに包まれたので、もはや写真にならないと思い峠で引き返し下山した。またしても音更山は遠い山となった。

撮影にならないため登頂せずというケースは多い。自分自身も登頂そのものにこだわらない。山と写真を一組に考えるうちに、いつの間にか自然にそうなってきたようである。
この日は音更山を諦め、翌日は然別湖方面に転進してナキウサギの撮影に没頭した。

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「次世代の党」正式発足 〜 真の「日本国」の政治が始まる

「次世代の党」結党(公式サイトから転載)

9月16日に都内のパレスホテルで「次世代の党」結党式が行なわれた。

石原慎太郎最高顧問、平沼赳夫党首、山田宏幹事長各氏による結党の挨拶と趣旨説明のあと、期待される若手議員による今後の抱負が披露された(過剰な演出臭には苦笑させられたが)。
この政党の誕生は日本国の将来に大変重要な意味を持っている。私自身、多少関係を持つ人間としての思い入れもあるので、下記2本の動画を紹介したい。

【9.16「次世代の党」結党大会[桜H26/9/17](約11分)】
【衆議院議員 三宅博「次世代の党」の使命、自主国家と拉致問題について[桜H26/9/17] (約10分)

■ 国を憂う気持ちで行動した日々

私は2011年「たちあがれ日本」(平沼赳夫代表)の次世代人材育成塾「かけはし塾」に参加した者である。
当時は鳩山・菅・野田の三氏が首相の座を弄した民主党政権下で、わが国は紛糾と混乱を極めていた。
東日本大震災における菅首相の幼稚で無責任な言動は、多くの国民に大きな衝撃と危機感を与え、無名の一国民の私は「これでは本当にわが国の将来はない、黙っていられるか」と危機感に燃えて、民主党打倒の戦いに身を投じた。
あのときのわが国は「戦時に等しい非常事態」にあったと思う。私は憂国の志願兵の気持ちだった。

その後「たち日」は石原新党「太陽の党」に移行し、大阪の橋下徹氏と「日本維新の会」を合流発足させ、天下分け目の12月の衆院選に突入した。
私は「維新の会」事務局に入って後方支援で戦った。結果は自民党118→294議席の圧勝で第二次安倍政権が誕生した。民主党は230→ 57と惨敗、日本維新の会は11→54議席と躍進した。

その後の安倍政権の着実な実績をみるにつけ、2012衆院選は真実、時代の大きな節目であったと思われてならない。
幼稚で欺瞞的な戦後日本の象徴たる民主党政治に、日本国民が堪忍袋の緒を切り訣別状を叩き付けた瞬間だったのだ。
私はその時以来政治の現場から離れたが、大きな勉強をさせてもらったと思う。また今後も変わらず日本のために自分が何をするべきかを考え、それを軸に生きて行こうと思っている。

卒塾式で平沼赳夫代表と(平成24年)

卒塾式で平沼赳夫代表と

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黒岳〜旭岳縦走(紅葉の始まった大雪山を歩く)

■大雪山メインルートを歩く …標高2,000mの稜線漫歩

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「お盆過ぎたらもう秋」という言葉がこちら北国では常套句だとはいえ、
青少年期を過した本州の残暑を思い出せない自分が未だに不思議である。
感覚とはかくも曖昧なもので、適応とはかくも強い作用なのかと。

さて今年の紅葉の始まりは少し早いようだ。先日大雪山のメインルートを歩いてみたところ、予想外にナナカマドの赤が鮮やかで、草紅葉もウラシマツツジも最盛期の赤色を呈していた。ただダケカンバの黄色はまだ色づきが遅いようで、赤・黄・緑の見事な大雪紅葉図にはもう少しかかるかもしれない。

今回は山仲間二人と、黒岳から入って旭岳へ抜ける大雪山縦走を試みた。それも最初と最後にロープウェイを使う、私にするとかなりリッチな計画である。

層雲峡から朝一番(6:00)のロープウェイとリフトを乗り継ぎ8合目に達すると、いきなり200mの急登が始まる(6:40)。体が温まりやっと調子が出る頃、黒岳山頂に到着した(7:45)。


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安倍改造内閣に思う 〜 日本と世界の現実について

■ 留任した閣僚ポストが示す安倍政権の強い願い

第二次安倍内閣が発足して2年弱、初めての内閣改造が行なわれた。2年後の任期満了まで貫く強い意志を改めて示した改造であることは重要な閣僚を留任させていることで明らかだ。

特に麻生財相、岸田外相、下村文科相の三人と、菅官房長官の留任は意義が大きい。
国力(財政)を充実し、欧米に偏屈しない広域外交で安全保障を強化し、日本人としての健全な精神生活を取り戻す。そして全体としての「日本を取り戻す」そんな願いを体現していると思う。

■ 安倍政権に抱く焦燥感 〜 「本心はどこにあるの?」

もちろん安倍政権の政策の中にはかなり問題があると思うことも確かだ。
首相が最重要と公言する経済政策においては、明らかに景気回復の妨げとなる8%増税を強行、さらに来年は10%にしたいと言う。法人税の軽減は大企業の利益に資するが、その実益は外国人株主に回るだけで、一番必要な日本の中小企業には回って来ないだろう。

また女性の社会進出が足りないなどと社民党みたいなことを言うのも首を傾げざるをえない。
配偶者控除の廃止、女性管理職の義務化などの政策を打ち出しているが、いったい何をしたいのか。もちろん有能な女性を登用することが望ましいことに異論はないが、だからといって女性一般を対象にした税制変更や企業への義務化などは行き過ぎであり有害であろう。
それに男性ではもう社会はよくならないと勝手に決めつけているようにも聞こえるではないか。

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大雪山の林道を歩く「忠別林道 その1」

秋にかけてお預けになっていた課題をひとつこなすことにした。

大雪山の東側は石狩川の源流域で、昔から林道や作業道が山裾に延びている。
現在この地区のほとんどの林道が、豪雨による土砂流失などの災害で通行止めのままになっているが、私は以前からこれらの道を訪ねてみたいと思っていた。
中でも、登山道とセットで放置されたままの「忠別林道」はその状況を確かめる価値があると考えたのである。

忠別岳シビナイコース

忠別林道は忠別岳へ直接登る唯一の登山道・旧シビナイコースへのアプローチ道でもある。
ゲートから5km入ると登山道の入口があり、公には十年以上前に廃道とされたがその後も細々と利用されてきた。

忠別岳は大雪山最奥の縦走ルート上にあり、トムラウシ山と表大雪の中間点にあたる要衝だ。
このシビナイコースがもし復活すれば、天候急変や事故時のエスケープルートとして非常に有益であろう。この登山道の使用可能性を調べるため、まずはアプローチの忠別林道を歩いてみた。

忠別林道ゲート

忠別林道ゲート

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大雪山の沢登り〜トムラウシ川とワセダ沢(後編)

(再掲)コース図 我々は下方のワセダ沢班

(再掲)コース図
我々は下方のワセダ沢班

さてヒサゴ沼を目指して、我々は地獄谷からワセダ沢を詰めて行きました。その続きです。
滝の連続を乗り越えてさらに1時間くらい行くと、水も減っていよいよ源頭部に至ります。このあたりまで来ると、水流はほとんどなくなり高山の花たちが急に目立ち始めます。

雪渓の脇に沿うように、安定した岩を選んで踏み登っていきます。小さな花の美しい姿が元気づけてくれます。今はエネルギーを呼吸と足に集中させ、登ること以外何も考えないようにします。 続きを読む

原発とマスコミと

北海道電力はこの10月、電気料金値上げを経産省に申請するという。
「(全契約者)平均で17.03%の値上げ」だというから溜め息がでる。

家計のことはどこの家も同じだから今さら何も言うまい。私の溜め息は日本社会が今陥っている大きな構図に対してである。電気料金の値上げは原発をストップしているせいだ。

なぜ再稼動させないのか?大声で強く文句をいう反原発の連中が怖いからである。
彼らの理不尽な文句にビビるのはなぜか?選挙で負けるのが怖い自民党議員が多いからである。
なぜ再稼動すると選挙で負けると思うのか?公明党(創価学会)が原発反対だからである。
なぜ公明党が関係あるのか?自民党は創価学会の票で当選している議員が多いからである。
なぜ公明党は原発反対なのか? 核アレルギーを習性にする戦後日本人に媚びているからである。
なぜ戦後日本人は核に対して過剰反応するか? 原爆をすぐに連想するように教育されたからである。
なぜそんな教育をされたのか?日本に核を持たせず、永遠に米国の従属国にしておくためである…
(もういいかな?)

私の見解はともかくとして、現在の状況では原発なくしては産業が衰亡し国民生活が破綻する。
眉をつり上げて「100%の安全を確保しなきゃダメ」などと駄々をこねる時間はないことは確かだ。 続きを読む

大雪山の沢登り 〜トムラウシ川とワセダ沢(前編)

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ヒサゴ沼の夜明け(大雪山)

今年のお盆休みに、所属する山岳会の夏の恒例行事「集中山行」に参加してきました。
「集中山行」とは予め決められた目的地へ複数パーティーがそれぞれの好きなコースを辿り合流する山行です。
今回の私たちの目的地は、大雪山の最奥地トムラウシ山域の「ヒサゴ沼」でした。美しい水面と白い雪渓が印象的な心地よい場所です。 続きを読む

「慰安婦」を捨てて逃亡する朝日新聞

■朝日新聞が打った保身の一手

よほど追いつめられたのか、或は手に負えなくなる前に先手を打ったのか —
朝日新聞が自分で火付け役となった「従軍慰安婦の強制連行」説を取り下げた。

「朝日新聞、慰安婦問題で一部反省 吉田証言「虚偽と判断し記事取り消します」(産經新聞)

■「旧日本軍が朝鮮人女性を強制的に拉致して性奴隷として働かせた」?

こんな悪質なデマがいつの間にか世界中に拡がっているのをご存知だろうか。
これは、国内の反日分子と韓国政府が結んで長年にわたり執拗に行なってきた情報工作の成果なのだ。

2007年アメリカ下院で日本に対して慰安婦への謝罪を求める決議が採択された。
そしてグレンデール市やニュージャージー、ブエナパークなどアメリカ各地で「慰安婦の像」が建立され、現地の日本人子弟が学校で陰湿ないじめに遭うという深刻な事態がおきている。

国連人権委員会でもこのデマが真実として定着し、『日本政府は「性奴隷」を認めて謝罪しろ、女性の人権を守れ』などと頓珍漢な苦言を発するという馬鹿げた状況になっているのだ。 続きを読む

大雪山・クワウンナイ川遡行の記

「北海道の屋根」大雪山、その最奥に位置するトムラウシ山は「遥かなる山」と呼ばれ岳人の憧れである。

7月、高山に花が咲き乱れる季節に、私は山仲間2人と共にこの山を目指した。
美しいナメ滝で有名なクワウンナイ川を遡行して山頂に至る計画で、私の胸は高鳴っていた。そしてこれ以上ない好天にも恵まれて、まさに忘れ得ない山旅となったのである。

「遥かなる山」トムラウシ

「遥かなる山」トムラウシ山

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