「慰安婦」を捨てて逃亡する朝日新聞

■朝日新聞が打った保身の一手

よほど追いつめられたのか、或は手に負えなくなる前に先手を打ったのか —
朝日新聞が自分で火付け役となった「従軍慰安婦の強制連行」説を取り下げた。

「朝日新聞、慰安婦問題で一部反省 吉田証言「虚偽と判断し記事取り消します」(産經新聞)

■「旧日本軍が朝鮮人女性を強制的に拉致して性奴隷として働かせた」?

こんな悪質なデマがいつの間にか世界中に拡がっているのをご存知だろうか。
これは、国内の反日分子と韓国政府が結んで長年にわたり執拗に行なってきた情報工作の成果なのだ。

2007年アメリカ下院で日本に対して慰安婦への謝罪を求める決議が採択された。
そしてグレンデール市やニュージャージー、ブエナパークなどアメリカ各地で「慰安婦の像」が建立され、現地の日本人子弟が学校で陰湿ないじめに遭うという深刻な事態がおきている。

国連人権委員会でもこのデマが真実として定着し、『日本政府は「性奴隷」を認めて謝罪しろ、女性の人権を守れ』などと頓珍漢な苦言を発するという馬鹿げた状況になっているのだ。

「慰安婦像前で米下院議員が追悼 中韓主張通りに日本批判」(産經新聞)
「韓国、米でも暴挙!”慰安婦の碑”設置加速 在米日本人が悲鳴「子供がイジメに…」(ZAKZAK)
国連人権高等弁務官、慰安婦問題で「強い遺憾」(産經新聞)

このデマを政府が何の証拠もなく認めたのがいわゆる河野談話で、政府はわが国の名誉が不当に貶められるのを放置してきた。そして国民も「金と経済」しか眼中になく国の名誉問題には一向に無関心だったことは残念だが確かである。

安倍政権による検証が始まり、河野談話が胡散臭いデタラメであることが公になりつつあるが、遅きに失した観は否めない。我々が惚けているうちに世界の共通認識にされつつあるこのハレンチ極まりなきデマを撤回せずして、祖先と子孫に顔向けできようか。政府の責任はすなわち今の国民すべての責任であり、私たちは関心をもって声を上げなくてはならないと思う。

■姑息な逃げ口上

朝日新聞は昨今の情勢と国民意識の高まりを見て「慰安婦問題」の幕引きに知恵を絞ったのだろう。その結果、形だけの「自首」をして自社へのダメージを最小限に抑えようと画策している。

つまり吉田清治の証言の虚偽性に全ての責任を押し付けて自分たちも騙された被害者だと言うのである。どこまでも腐った神経である。そんな卑劣なやり方がいつまでも通用すると思っているのだろうか。

■天下の反日組織・朝日

今更言うまでもないが、吉田証言に喜んで飛びついた朝日新聞こそがこの一連の問題の主犯だ。正体は彼らに巣食う「日本を貶めることに生き甲斐を感じる連中」(=全共闘世代)の妄執である。

虚偽の吉田証言を拡大利用し、反日国家の韓国に恰好の攻撃材料として提供した。大新聞の立場で国内世論を操作し、文部省教科書検定にも口を挟み子供たちの教科書に「従軍慰安婦」を書き込ませたのだ。

阿呆の「河野談話」が成立するとそれを根拠にデマを世界にまき散らす。特に米国議会への工作を通じて国際社会に「日本は性奴隷の国」という悪評を広めることに精を出して来た。

日本が大嫌いで皇室を潰したくてたまらない人たちが集う朝日新聞の、日本を貶めるためならウソ記事も書く傲岸不遜は恥知らずと狂気に満ちている。だが何故彼らがわが国の言論を左右する強い立場でいられるのだろうか。その原点はどこにあるのか。

■占領軍に脅されて祖国を売った

その謎を理解するためには、かつての連合国による占領時代をみる必要がある。
昭和20年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾して停戦。そしてGHQによる占領が始まった。9月、朝日新聞に掲載された鳩山一郎の談話と、それに対する占領軍の反応が注目される。

(戦後復興の諸施策如何、という問に答えて)
《”正義は力なり”を標榜する米国である以上、原子爆弾の使用や無辜の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであらう。
極力米人をして罹災地の惨状を視察せしめ、彼ら自身彼らの行為に対する報償の念と復興の責任とを自覚せしむること日本の独力だけでは断じて復興の見通しのつかぬ事実を率直に披瀝し日本の民主主義的復興、国際貿易加入が米国の利益、世界の福祉と相反せぬ事実を認識せしむることに努力の基礎を置き、あくまで彼をして日本の復興に積極的協力を行はしむるごとく力を致さねばならぬ》
(朝日新聞 昭和20年9月15日)

要点は「米国は原爆投下や民間人虐殺をした非道の責任を率直に認め、日本の復興に助力を惜しまないことを約束させるべし」という堂々たる正論である。

またもうひとつの談話は「進駐軍が日本の婦女子に働いた暴行事件を隠すために、日本軍がフィリピンでひどい暴行をしたと米国が虚報を流している疑いがある」というものだった。(同 9月17日付)

この記事に対してGHQは検閲権力をもって朝日新聞に即日「48時間の発行停止処分」を命じた。
米軍の非道を指摘した鳩山一郎の談話はGHQの逆鱗に触れたのだが、この発行停止処分で、朝日新聞はすっかり縮み上がったようだ。
翌月10月11日に掲載された記事は共産党人民大会を報じたもので、その記述は共産革命運動に対する好意に満ちた驚くべきものであった。

《15年の忍苦の甲斐あつて今回解放された日本共産党徳田球一、志賀義雄、金天海氏等十五氏を迎へる『人民大会』は…(略)》
《中西伊之助、伊藤憲一等の諸氏が 獄中の苦しい生活でしはがれた声をふりしぼって運動に倒れた同志の思い出に涙を流し、デモクラシーと共産主義を謳歌し、天皇制の打倒なくして人民の真の解放はありえないと絶叫した。(略)》
《大会終了後直ちに赤旗を打ちふって街頭デモに移りマッカーサー司令部前で万歳を叫んで解散した
(朝日新聞 昭和20年10月11日)

当時占領軍の中枢には共産主義思想が浸透しており、朝日新聞は保身のためにこれに迎合したのである。皇室を軽視して戦前日本を侮蔑する現在の朝日新聞の心理的原型をここに見る思いがする。

■未だに続く異常な言語空間

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江藤 淳『閉ざされた言語空間』 〜 占領軍の検閲と戦後日本 〜

こうした戦後日本の言論空間の偏向についてその源泉から鋭く説き明かした江藤淳氏の名著『閉ざされた言語空間』から抜粋して掲げよう。

《(略)これが自国に対する忠誠義務から完全に解放され、その代償として外国権力に対する100%の服従を強制されたジャーナリズムの実状にほかならなかった。昭和20年9月29日午前11時30分を境にして、日本の言論機関、なかんずく新聞は、世界に類例を見ない一種国籍不明の媒体に変質させられたのである。》
(江藤淳『閉ざされた言語空間』文春文庫 p209)

上にある昭和20年9月29日云々とは、GHQが日本政府に対して発した指令のことで、その意義は
いかなる政策ないしは意見を表明しようとも決して日本政府から処罰されることがないという特権的地位を(言論機関に)あたえ》たということにあると江藤氏は指摘している。(同上書p205)

このときから日本の言論機関は祖国を売り連合国に尽くす存在に変質した。
そして現在に至るまで一切の反省も総括もなく、NHKなり朝日なり共同通信なりは他国の思惑に沿って世論操作を行い日本人を洗脳し続けている。

《その「政策ないしは意見」は日本にどのような不名誉や不利益をもたらすものであってもよく、直接間接に日本という国家そのものの解体と消滅を志向するものであってもよい。(略)この指令によって日本の新聞は、国家に対する忠誠義務から完全に解放されたのである》(同上)

日本ジャーナリズムは占領軍に従って日本の国柄を破壊する方向に迎合して生きのびてきた。
当初は「従うふり」だったろうが、やがて既成事実の積み重ねが自らを縛り、訂正もできず言及もできず、なし崩し的に放置され踏襲され、習慣化してしまったのである。
嗚呼、戦地に散った祖先たちにいったい何と申し開きできようか。

だがこのような生き恥を晒しているのは言論機関のみではない。敗戦と占領でわが国が歪められ続けている悲劇に自覚も関心もなく、能天気にその日暮しをしている子供じみた日本人すべてに同じく言えるのではないか。

■思考再開せよ!悲劇を乗り越えなくては未来はない

今の日本人が国史を直視できない心理は、この70年前の占領政策に起因していることは疑う余地もない。朝日新聞やNHKがしつこく押し付けてくる自虐的に萎んだ歴史認識や戦争観はGHQの見えない呪縛の現れである。

だが私たちはあの占領の内実を知らねばならない。そして我々が教えられてきた歴史がそもそも敵に仕組まれた洗脳工作であり、70年の間その虚偽の枠の中で生きてきたという事実を痛恨の思いを込めて認める勇気を持たねばならない。そこで初めて、私たちが本来あるべき姿をもう一度探し始めることができるのだと思う。

かつて祖父母世代が味わった屈辱と苦渋を知り、それを我がものとして逃げずに引き受け、超克する覚悟と努力。それこそが今を生きる我々にとって本当に必要な心構えではないだろうか。

来年は戦後70年の節目を迎えるが、我々の世代に課せられた日本人としての歴史的な義務は途方もなく大きく、それ故にやりがいがあるのだと私は思う。

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