安倍改造内閣に思う 〜 日本と世界の現実について

■ 留任した閣僚ポストが示す安倍政権の強い願い

第二次安倍内閣が発足して2年弱、初めての内閣改造が行なわれた。2年後の任期満了まで貫く強い意志を改めて示した改造であることは重要な閣僚を留任させていることで明らかだ。

特に麻生財相、岸田外相、下村文科相の三人と、菅官房長官の留任は意義が大きい。
国力(財政)を充実し、欧米に偏屈しない広域外交で安全保障を強化し、日本人としての健全な精神生活を取り戻す。そして全体としての「日本を取り戻す」そんな願いを体現していると思う。

■ 安倍政権に抱く焦燥感 〜 「本心はどこにあるの?」

もちろん安倍政権の政策の中にはかなり問題があると思うことも確かだ。
首相が最重要と公言する経済政策においては、明らかに景気回復の妨げとなる8%増税を強行、さらに来年は10%にしたいと言う。法人税の軽減は大企業の利益に資するが、その実益は外国人株主に回るだけで、一番必要な日本の中小企業には回って来ないだろう。

また女性の社会進出が足りないなどと社民党みたいなことを言うのも首を傾げざるをえない。
配偶者控除の廃止、女性管理職の義務化などの政策を打ち出しているが、いったい何をしたいのか。もちろん有能な女性を登用することが望ましいことに異論はないが、だからといって女性一般を対象にした税制変更や企業への義務化などは行き過ぎであり有害であろう。
それに男性ではもう社会はよくならないと勝手に決めつけているようにも聞こえるではないか。

この行き過ぎた女性重視の風潮が、どれほど世の男性に屈辱感を与えて意気沮喪させてきただろうと溜め息がでる。また多くの女性にも家庭を守り子供を生み育てることの価値を疑わせ、低くみるような誤解を広めてきたと思われてならない。それが社会における男女の自然なあり方を見失わせ、若者を混乱させた結果の晩婚化、ひいては少子化ではないのか。全部とは言わないが深い関連があると私は思う。

男女共同参画や女性の人権などと、進歩主義の学者たちが机の上で作った言葉にいつまでも囚われているようだが、民はそんな学者の主義思想で暮してなどいない。イデオロギーではなく現実に適った伝統の社会慣習を取り戻すような制度改革をして欲しいものだ。

■ 本心を言えないのが政治の世界 〜 敵は耳をそばだてている

こうした変な政策は誰かの口車に乗せられているのか、或は本当の敵の目を欺くために、敢て日本人にとって危険で害のある政策をも口にして油断させているのか…?その辺りの見極めはもとより我々には不可能である。
安倍首相の本心がどこにあれ、それを妨げる者は外国のみならず国内にも、また身近な党内にも大勢いるのだ。
近視眼の本音と正直だけでは到底まわすことが出来ない、長い目が要るのが現実政治なのだ。

今は安倍晋三という人物の誠実を信じて、我々庶民には計り知れない現実政治の事情を慮り、見守り続けることしかないのだと思っている。
私は昨年末、靖国参拝された安倍首相を思い出すのだ。何の予告も演出もないその姿に、私は真の政治家を見た。策略ではなく信念と情で行動できる人間こそが本物なのだと改めて教えてもらったように思う。

■ 近現代世界を動かす英米ユダヤ系金融資本の存在

第二次大戦が終わって来年で70年目となるが、この間世界を牛耳ってきたのはアメリカであり、正しくはイギリスからアメリカに渡ったユダヤ系の国際金融資本家たちであるといわれている。
ロスチャイルドやロックフェラー、ヤコブ・シフ、ジョージ・ソロスなどの大富豪の祖先は1776年アメリカ建国直後から力を揮ってきた。彼らはFRB設立を強行してドルの発行権を握り、株式市場を操り、さらに世界の戦争まで工作して蓄財と権力強化を図ってきた。彼らはアメリカ政府を乗っ取ったのである。

彼ら国際金融資本家は諸国の政府を金と情報で操り、幾多の革命や大戦争を演出して来たという。
古くはフランス革命、ロシア革命そして両世界大戦。近くは中国の共産化、米ソ冷戦構造の演出。
彼らの目的はグローバリズムを標榜した金融による世界支配である。
その邪魔になる各国の伝統文化や民族主義を敵視し徹底的に破壊しようとする。
それに抵抗する民族は「民主化」の美名のもとに武力で叩き潰す。それが彼らの一貫する手法だ。
日本も70年前武力で叩き潰され「民主化」と称して占領軍に好き放題にいじくられ壊されたではないか。あれは日本が遅れた野蛮国だからではなく、単に彼らの意図に沿わない国だったからである(野蛮なのはどちらか!)。

また1960年の石油輸出国機構(OPEC)の結成と、それに対抗する石油メジャー資本の戦いも然り。サダムフセインが自国の原油の統制権を取り返そうとして米国に叩き潰された、あのイラク戦争もまた然りだ。
さらに世界がすっかり信じ込んできた「東西冷戦」すらカムフラージュだったという説が光を浴びているし、最近のウクライナ問題も、裏で紛争を手引きしているのは反プーチンの米国の国際金融資本家たちと思われる。

「戦争の裏にユダヤ金融資本家あり」ー これは怪しげな陰謀論ではなく端的な事実として、近年明らかにされてきている。この構造から目を逸らして何の現実世界の理解があろうか。
数年前にローマ法王が「グローバリズムは人類の敵だ」と発言したのもそういう理由があるのだ。

(参考:馬渕睦夫『国難の正体』 総和社 2012年 ほか多数の文献やネット情報がある)
目からウロコが落ちる一冊 『国難の正体』馬渕睦夫氏

目からウロコが落ちる一冊
『国難の正体』馬渕睦夫氏

■ わが国の現実を知れば「平和国家」などと名乗れまい

そのユダヤ系国際金融資本にわが国もまた翻弄されてきたことは周知の事実だ。

わが国は条約上は米国の同盟国だが、残念ながら実際はすべての面を米国に支配された属国なのである。在日米軍基地はその象徴であり、自衛戦すら放棄する現憲法9条は対米従属の宣誓文といえる。

だが対米従属は軍事面のみではもちろんない。わが国は国家の財布をアメリカに握られている。
わが国は毎年厖大な米国債を買わされ、しかも売ることは許されないから、これはカツアゲに等しい。米国債を買うとは、米国の抱える厖大な借金を日本が肩代わりしているということである。

そしてアメリカの借金とは、言うまでもなく世界中にばらまいた軍隊の維持費と戦争コストである。それをあろうことかわが「平和国家」日本が、国民の税金で支えているという構図なのだ。

その金は結局、巨大な軍事産業を営む米国のユダヤ系資本家が手にしている。
アメリカが二次大戦が終わっても戦争ばかりしている理由はここにある。
米国はもはやアメリカ人の民主国家ではない。実態は国際金融資本家の支配する帝国なのである。

世界を混乱させ人々の命を奪い文明を破壊してきた戦争は、一部の大富豪が仕組んだ商売だった。
この非情な現実の前には、現代世界の科学や利便の繁栄など目くらましの幻影にすら思える。

われらは「平和国家だ」と称してこの戦争商人たちに税金を貢ぎ続けているわけだ。現実を何も関知せず、平和教のお経を繰り返すことの無意味さと無責任さがやりきれない。

***  ***

世界の歴史は残忍な悪意と欲望と暴力がいろいろな形で行使されて作られてきた面がある。
古来平穏で幸せな歴史を長く生きてきたわが日本の民には、その現実はほとんど想像を絶している。
だがせめて重く暗い世界実態の存在ぐらいはもう認識してもいいのではないだろうか。

「世界は善意」と信じて目を瞑って能天気に過ごしている今のままでは米国グローバリストの奴隷でいるしかない。その無責任を脱するために、現在の日本の真の状況を逃げずに認識することから始めたいものである。

安倍改造内閣に思う 〜 日本と世界の現実について」への2件のフィードバック

  1. お茶と蜜柑

     現実の国際社会とは、こんなにも汚い(日本人の感覚)ものであるということが、わかりやすく書かれていて勉強になりました。周りの心ある人にも、読んでもらおうと思います。
     さてそうすると、私達日本人は、どう生きてゆけば良いかということが、大切になってきますね。

    返信
    1. やっさん 投稿作成者

      お茶と蜜柑さん
      コメントありがとうございます。お元気そうで何よりです。
      安倍内閣の活躍と多難な前途を、メディアの姿勢と併せて飽かずに注視する毎日です。生れて初めて、わが国の本当の政治を見ている思いがします。

      世界はあまりに深遠で、人間ごときが全体真理を把握できるものではないとつくづく思い知らされますが、
      その中で我々のささやかな人生に意義を見いだせるとすればそれは何か?
      私はその答を自然からいつも教えられている気がしています。
      それは自分につながる全ての命への感謝と慈しみの心を自覚すること。
      自然の節理に逆らわず、運命に強く寄り添うという気概をもつこと。

      中でも人間は言葉と歴史をもつ生き物ですから、己が属する民族がどんな歴史物語を紡いで来たのかを、正しい言葉で知り、その価値を高めて次世代に語り継ぐことは、人間という生き物の自然の摂理ではないかと思うのです。

      人は「死なない為に生きる」のではなく「よく死ぬ為によく生きる」べきもの。その良い悪いの基準もやはり自然の節理に従うか否かにあると思います。
      人工的なイデオロギーは常に誰かの都合で作られます。始めから矛盾と諍いの種を内包しており、必ずいつか破綻する時が来るものでしょう。
      ルソーやホッブス以来200年以上続いた欧米の「自由・平等・博愛」という人工思想は世界中で矛盾を露呈し、終焉を迎えつつあるように見えます。
      また国境をなくして世界を統一するという理想は、一部の大富豪が企図した壮大な広告宣伝以上のものではありませんでした。
      世界中でグローバリズムへの反攻が目に見えて始まっています。中東、ロシアがその先鋒です。彼らの強い民族意識が、欧米思想による世界支配構造を揺さぶっている動きが判ります。わが国もこの動きにどう乗れるか、大切な時期です。

      どんな国際状況下でも、また新技術や宗教や思想に対面しても、私たちが軸として堅持すべきは日本の伝統であり、この美しい国柄を守る決意をもって判断すればよいのだと思います。
      そのためには日本人は日本に還るしかないという明白な事実を、すべての国民が改めて心に据えて、現実離れした宣伝に惑わされないことが肝要と思っております。

      返信

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