日本人のこころ」カテゴリーアーカイブ

桜咲く神宮で

思いもかけぬ暖かさは、今年の桜前線を駆け足にさせた。
先週の函館・松前に続き、札幌も27日に円山公園の桜の満開を聞いた。
あるいはGW中に道東や道北でも咲いてしまいそうな勢いである。
白樺の若葉が萌えてきた野山の雪の減り具合を見ても、今年の春の早さを感じる。

北海道神宮は札幌市の円山山麓に鎮座する。我が家からもほど近いので、
境内の桜を愛でながら小さな動物や野鳥たちを撮影するのが私の恒例である。

参道の桜

参道の桜

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朝一番の清浄な境内の空気を吸って参拝を済ませる。8時前はまだ人も少ない。
参道の桜の樹々は、薄紅色の雲を重ねたような枝を優美に差し掛けている。
通勤前に参拝するスーツ姿の若者や、敬虔な面持ちでゆっくり歩を運ぶ初老の男性、犬を散歩させる女性たちがちらほらと行き過ぎる。
不安げな曇り空がいつしか晴れて、春の光が柔らかく神域の杜を包みはじめた。

エゾリスが走り回る。秋に埋めておいたクルミを忙しく掘り出している。
そんなに大きなのをくわえて、あごが外れないのかと心配になるほどだ。
ちりちりと軽やかなさえずりが聞こえてきた。
シジュウカラやハシブトカラが、桜や梅の花の間を飛び回っている。
美しいヒノキやスギの林の中では、枝のカラスがのんびり啼いている。
人界の雑事を忘れる至福のひとときである。

木鼠の耳ふさの毛の揺れるごと  やはらかな風吹くここちして

あった、あった

あった、あった ♩〜

 

「海洋立国・日本」を守れ 〜 建国記念の日に

■「建国記念の日 奉祝道民の集い」

2月11日は「建国記念の日」であり、私は今年も恒例の奉祝式典に出席してきた。
昨年と同じく今年も参加者がいっそう増えたなと感じられた。
メディアで広く宣伝しているわけでもないのに 自然に増えて行くということは、参加者による口コミや啓蒙活動に加えて、人々の中に自発的覚醒と行動が起きている証拠だろう。
昨今の日本全体を包みはじめている「健全な国家意識の復活」がここにも形になって見えて喜ばしい。

神武天皇の御東征(神宮徴古館蔵)

神武天皇の御東征(神宮徴古館蔵)

背筋を伸ばし直立して国歌を斉唱、気持ちが引き締まり清々しい。
来賓祝辞、祝電の披露。恒例の有馬氏の朗々とした祝吟が披露される。
普段聞く機会もない詩吟を拝聴できるのは、この式典での私の楽しみのひとつである。

明治天皇御製  「柱」

橿原(かしはら)の とほつみおやの 宮柱(みやばしら)
たてそめしより國はうごかず

建国記念日 半田晃陽

畝傍山上瑞雲深し  (うねびさんじょう ずいうんふかし)
古柏森々自づから襟を正す  (こはく しんしん おのづから えりをただす)
建国悠々たり 天祖の蹟  (けんこく ゆうゆうたり てんその あと)
紀元の奉祝 兆民の心  (きげんの ほうしゅく ちょうみんの こころ)

凛とした吟唱を拝聴して「自づから襟を正す」という気持ちになる。

■ 認識の転換「資源のある國・日本」

今年の講演の題目は『海に守られた日本から、海を守る日本へ』。
海洋政策が専門の東海大教授・山田吉彦氏の貴重なお話を聞かせて頂いた。
尖閣問題、小笠原の珊瑚密猟など、覇権を狙う中国の挑戦にわが国の領海が脅かされている現在、私たち日本人はこれまでの海に対する認識を大転換するべきときだ、というお話なのである。

奉祝式典の様子(山田教授講演中)

奉祝式典の様子(山田教授講演中)

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年頭のご挨拶と成人の日に寄せて

遅ればせながらようやくブログの更新となりました。
皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。
皇紀2675年、平成27年、西暦では2015年の一月でございます。
日本はどこへ向かうのか、いや向かわせなければならないのか。
私たちは日本国の大人であり祖先と次世代に対する責任があります。
わが国の内外の厳しい状況を、各人それぞれの場で少しでも広く関心をもって謙虚に考え行動していかねばなりません。
自覚を持って国を守る、それが今年の誓いであります。

***   ***

今年の成人の日は12日でした。
私は有志と一緒に、新成人に祝福の意を込めて日の丸の小旗を手渡す活動に参加しました。
式典に向かう若者達は皆あどけなくて、まだ幼い印象を受けました。
さて自分達の20歳の頃はどう見えていたのだろうかと考えながら、個人の自由を謳歌する一方で「公」への責任意識を欠いたままで大人になってしまうという、日本の若者の現実を思わずにはいられませんでした。

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慶賀 八十一歳をお迎えあそばした 陛下

買い物に行けば店はクリスマス色。レジの女性はサンタ帽をかぶりBGMはジングルベル。
ラジオもテレビも話題は明日24日のことばかり(キリスト教徒でもないだろうに)。

クリスマスに大騒ぎしてはしゃぐ奇妙な習慣も、儲けたい商売システムとして割り切れば我慢できる。イベント依存症の現代日本に於いてハロウィンだろうがXマスだろうがみんな同じ「商戦」に過ぎず、西洋の習慣を安っぽく真似ることの無意味さに誰も疑問も持っていない。

***      ***

では本日23日はどうなのかといえば、軽薄な商売Xマスとは全然意味が違う。
そもそも天皇陛下のお誕生日こそ我ら日本人にとっての「クリスマス」のはずではないか。

にもかかわらず自分の国の一番大切な日を放ったらかしにして(休みだけは享受しておいて)遥か遠い西洋のキリスト祭に日本中が浮かれているなど、まったく沙汰の限りだ。

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2014衆院選を終えて 〜 逆境に奮い立つ勇気

■ 絶望的な戦い しかし「次世代の党」は死なず

「終わったなあ…」とひと息つきました。昨夜は開票速報をテレビで見ながら何度も眠りに落ちかけました。疲労感と脱力感が身を包んでいます。
終わってみれば一炊の夢。出馬を決心した11月23日が昨日のことのように思い出されます。
私自身も準備ゼロのいわば飛び入り参加で、また「次世代の党」の名前も国民にほとんど知られていない絶望的な状況で突入した選挙戦でした。

選挙結果は自民党の圧勝。民主党が微増(しかし海江田党首が落選)、共産党が倍増する奇妙な現象が起き、そしてわが次世代の党は19から2議席へと大激減の惨敗となりました。

この結果は仕方ないと思います。あまりにも急な解散総選挙で準備は全くできておらず、我々のような新しい政党にとってはどうしようもない条件でした。二年後の衆院選を睨んで国民への周知を図ってゆく計画が完全に崩れ、次世代の党は壊滅寸前まで追い込まれてしまいました。

次世代の党は国会で鋭い質問を連発して日本復活への実績を挙げてきました。これを恐れたアメリカが安倍政権に圧力をかけたかもしれません。つまり「次世代潰し」の狙いです。

我々「次世代の党」はこの消えゆく日本を救うために生れた希望の光です。私たちが諦めたらそこで日本は終わってしまう、絶対に諦めてはならないと改めて強く思います。
私の胸中には、69年前戦争に敗れて壊滅状態に陥ったわが国の歴史がオーバーラップするのです。あの破壊された国土の中で、祖国再建を諦めなかった私たちの先輩達の気持ちを思い勇気を奮い起こします。

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「次世代の党」正式発足 〜 真の「日本国」の政治が始まる

「次世代の党」結党(公式サイトから転載)

9月16日に都内のパレスホテルで「次世代の党」結党式が行なわれた。

石原慎太郎最高顧問、平沼赳夫党首、山田宏幹事長各氏による結党の挨拶と趣旨説明のあと、期待される若手議員による今後の抱負が披露された(過剰な演出臭には苦笑させられたが)。
この政党の誕生は日本国の将来に大変重要な意味を持っている。私自身、多少関係を持つ人間としての思い入れもあるので、下記2本の動画を紹介したい。

【9.16「次世代の党」結党大会[桜H26/9/17](約11分)】
【衆議院議員 三宅博「次世代の党」の使命、自主国家と拉致問題について[桜H26/9/17] (約10分)

■ 国を憂う気持ちで行動した日々

私は2011年「たちあがれ日本」(平沼赳夫代表)の次世代人材育成塾「かけはし塾」に参加した者である。
当時は鳩山・菅・野田の三氏が首相の座を弄した民主党政権下で、わが国は紛糾と混乱を極めていた。
東日本大震災における菅首相の幼稚で無責任な言動は、多くの国民に大きな衝撃と危機感を与え、無名の一国民の私は「これでは本当にわが国の将来はない、黙っていられるか」と危機感に燃えて、民主党打倒の戦いに身を投じた。
あのときのわが国は「戦時に等しい非常事態」にあったと思う。私は憂国の志願兵の気持ちだった。

その後「たち日」は石原新党「太陽の党」に移行し、大阪の橋下徹氏と「日本維新の会」を合流発足させ、天下分け目の12月の衆院選に突入した。
私は「維新の会」事務局に入って後方支援で戦った。結果は自民党118→294議席の圧勝で第二次安倍政権が誕生した。民主党は230→ 57と惨敗、日本維新の会は11→54議席と躍進した。

その後の安倍政権の着実な実績をみるにつけ、2012衆院選は真実、時代の大きな節目であったと思われてならない。
幼稚で欺瞞的な戦後日本の象徴たる民主党政治に、日本国民が堪忍袋の緒を切り訣別状を叩き付けた瞬間だったのだ。
私はその時以来政治の現場から離れたが、大きな勉強をさせてもらったと思う。また今後も変わらず日本のために自分が何をするべきかを考え、それを軸に生きて行こうと思っている。

卒塾式で平沼赳夫代表と(平成24年)

卒塾式で平沼赳夫代表と

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安倍改造内閣に思う 〜 日本と世界の現実について

■ 留任した閣僚ポストが示す安倍政権の強い願い

第二次安倍内閣が発足して2年弱、初めての内閣改造が行なわれた。2年後の任期満了まで貫く強い意志を改めて示した改造であることは重要な閣僚を留任させていることで明らかだ。

特に麻生財相、岸田外相、下村文科相の三人と、菅官房長官の留任は意義が大きい。
国力(財政)を充実し、欧米に偏屈しない広域外交で安全保障を強化し、日本人としての健全な精神生活を取り戻す。そして全体としての「日本を取り戻す」そんな願いを体現していると思う。

■ 安倍政権に抱く焦燥感 〜 「本心はどこにあるの?」

もちろん安倍政権の政策の中にはかなり問題があると思うことも確かだ。
首相が最重要と公言する経済政策においては、明らかに景気回復の妨げとなる8%増税を強行、さらに来年は10%にしたいと言う。法人税の軽減は大企業の利益に資するが、その実益は外国人株主に回るだけで、一番必要な日本の中小企業には回って来ないだろう。

また女性の社会進出が足りないなどと社民党みたいなことを言うのも首を傾げざるをえない。
配偶者控除の廃止、女性管理職の義務化などの政策を打ち出しているが、いったい何をしたいのか。もちろん有能な女性を登用することが望ましいことに異論はないが、だからといって女性一般を対象にした税制変更や企業への義務化などは行き過ぎであり有害であろう。
それに男性ではもう社会はよくならないと勝手に決めつけているようにも聞こえるではないか。

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原発とマスコミと

北海道電力はこの10月、電気料金値上げを経産省に申請するという。
「(全契約者)平均で17.03%の値上げ」だというから溜め息がでる。

家計のことはどこの家も同じだから今さら何も言うまい。私の溜め息は日本社会が今陥っている大きな構図に対してである。電気料金の値上げは原発をストップしているせいだ。

なぜ再稼動させないのか?大声で強く文句をいう反原発の連中が怖いからである。
彼らの理不尽な文句にビビるのはなぜか?選挙で負けるのが怖い自民党議員が多いからである。
なぜ再稼動すると選挙で負けると思うのか?公明党(創価学会)が原発反対だからである。
なぜ公明党が関係あるのか?自民党は創価学会の票で当選している議員が多いからである。
なぜ公明党は原発反対なのか? 核アレルギーを習性にする戦後日本人に媚びているからである。
なぜ戦後日本人は核に対して過剰反応するか? 原爆をすぐに連想するように教育されたからである。
なぜそんな教育をされたのか?日本に核を持たせず、永遠に米国の従属国にしておくためである…
(もういいかな?)

私の見解はともかくとして、現在の状況では原発なくしては産業が衰亡し国民生活が破綻する。
眉をつり上げて「100%の安全を確保しなきゃダメ」などと駄々をこねる時間はないことは確かだ。 続きを読む

W杯敗退について一考

荒波の向うに一縷の光

荒波の向うに一縷の光/根室・納沙布岬

ブラジルW杯一次リーグ、日本は残念ながら敗退した。
最後のコロンビア戦についてのメディアや批評屋の記事がネットに踊る。
類似した記事は沢山あるので、目についた部分の感想をのべてみたい。

「なさすぎた勇気…ボール遊びだった日本」
「彼らは本当に「サムライ」を名乗る資格があるのだろうか。勝負を懸けた戦いだからこそ、刺し違えてでも相手を倒す気構えが必要だったのではないだろうか。」
「限りない不完全燃焼感。日本の勝利を信じて見守った多くの人の目にも、この日のサムライブルーが本当に戦ったとは映らなかったはずだ。」

こうした言い方は少し度が過ぎていよう。「限りない不完全燃焼」といっても、これが日本チームの現実だった。
現実を認めずに「まだ燃焼できたはず」とはちょっと未練がましい。

また「刺し違えても相手を倒す気構え」とは勇ましいが、言うは易しだ。
「サムライを名乗る資格は…」といってしまったら今の日本人の誰にも名乗れないと思う。
つまるところ勝敗の結果だけに囚われて鬱憤をぶつけるだけの、ライターの自己慰撫の「言葉遊び」に思える。

ところで、4年の間厳しい練習を経てきた選手達はこの敗戦を受け止めて、
「応援してくれた日本の人たちに申し訳ない」と記者の質問に答えていた。
その姿に私は胸を打たれたし、同時にある連想をした。
今日はサッカーと重ねてそのことを述べてみようと思う。 続きを読む

「日本」が生きていたあの時代を思う日

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「昭和の日」4月29日、私は国旗を掲出して神棚にお塩とお米を捧げた。

菊の花を飾り、日本会議制作のDVD「昭和天皇」を観賞した。
(このDVDは実によく出来ており、見るたび感動で目から鼻水が出る)

昭和は「日本国」が生きて稼動していた最後の時代だったのかと思う。
妙な言い方だが、私は平成日本を「日本国」と思えないのである。 続きを読む