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TPP楽観論に横たわる無責任と臆病風

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何の結論も出さずにいた野田首相が ようやく何か意思表明すると思ったら「TPPに参加する」だそうな。
実現すればわが国はまた一歩大きく損なわれることになろう。


TPPはこれまでの経済協定の概念とは質を異にする。
自由化の対象業種は24もあり社会の隅々まで外国の参入を招くだろう。
それは取り返しのつかない大きな社会構造の変化を意味する。
新たな変質を迫られる我々はさらなる苦しみに投げ込まれるわけだ。
国はやみくもに開けばよいというものではない。

【食料自給力は国防力だ】

TPPの基本は関税の完全即時撤廃だ。
日本の農業が安い外国農産物流入により大打撃を受けることは誰もが認めている。
そのうえでメディア報道は日本の農業のためにもいいことだという。
競争することで「鍛えられて」農業が強くなるというのである。

理屈の筋は分かる。だがはっきり言って無責任の極みだと私は思う。
どこの世界に自国の食料生産を外国と競わせて強化しようなどと思う国があるか。

農業を経済効率論で捉えてしまう人にはよく考えて欲しいと思う。
国の生命線は、外国貿易に依存しないところで確保するのが当たり前だ。
農業VS工業という報道の仕方は間違っているし、国防上も大変危険である。

【人の流入は取り返しがつかない】

TPPの特徴は(農業を含む)24もの対象業界があることだ。
冒頭に述べたように、年金や医療・医薬、保険、各種サービス、建設といったインフラ、
公共基礎的分野まで外国企業との競争に曝される。外国人労働者も大量に入ってくる。

その一方で、日本から外国に進出して利益になるような要素はあるかといえば
他の参加国は日本よりも著しく経済規模も小さく、ほとんどメリットはない。
(他国はシンガポール、チリ、ブルネイ、ニュージーランド)
唯一比較可能な大国アメリカには、当然日本有利の話は期待できない。

つまり日本は外国から一方的に入り込まれるだけで、その逆はない。
かけがえのない伝統の社会システムを失い呆然と立ち尽くすのみだ。
先人の血涙で守って来た日本社会の土台が、お子様リベラル政権の
性急で無責任な選択によって「ぶち壊され」ようとしている。

【製造業の輸出は伸びない】

現下の輸出不振の原因は「円高」にあり、TPPの関税撤廃はほとんど無意味だ。
逆にアメリカや他の参加国からの安物流入で国内産業は無惨に淘汰されよう。
内需は低迷しデフレは悪化、失業は増え景気はさらに落ちるだけである。

TPPで日米が対等な相互利益関係を築くなど空論中の空論である。
国際社会の力関係の現実と歴史的事実に照らしてありえないことだ。
推進論者には、TPPであらゆる防御をはぎ取られた日本の社会が
米国他に容赦なく荒らされて変形していく姿を見ようとしていない。

その意味でTPPは論理の経済問題ではなく心理の政治問題だ。
第三の開国など冗談にもならぬ。黒船・大東亜戦争に続く第三の敗北でしかない。
よく聞かれる「今に始まったことじゃないし仕様がないじゃん」式の諦観は
もう通用しない。

なぜ野田首相は11月APECまでのTPP参加表明を急ぐのか。
10月28日付の毎日新聞によれば、公式文書に出た政府の本音は
「その時期がオバマ政権に一番喜ばれるから」だそうだ。
国家存亡を左右する決断をアメリカのご機嫌取りとしか感じていないのか。
そんな○○で◎○×な政府は○○△してしまえと叫びたくなる。

【臆病風になびく日本のリーダーたち】

ネット配信の「日経ビジネス」の見出しに毎日のように並ぶ論調がある。

「合理的に考えてTPPには参加するしかない」
「国際的な枠組みに乗り遅れるな」
「参加しないと韓国に差をつけられてしまう」

これが日本をリードする経済界の意向なのだから情けない。
日本は外国に合わせて生きてさえいればよいという萎んだ発想にうんざりする。
自立して我が道を確立する気概はどこにもない。これを称して臆病者という。
長いものに巻かれるにしても、その長さの検証もろくにしないで
枝葉の理由をつけてテキトーに決めようとする。称して怠け者という。


江戸期のように自主的に貿易をコントロールする気構えを思い出そう。
自由貿易は絶対の正義ではないし、保護貿易も時には大事だ。
状況に応じて主体的な判断で選択するべきなのだ。

そもそもTPPは苦境のオバマ政権が企むひとつの経済戦略で
これを世界標準などと誤認してすがりつくなど愚劣の骨頂でしかない。
初めから参加を前提で議論している時点で「戦わずして既に負けている」のだ。
こんな卑屈な政治屋・経済屋を私たちは如何にしても排除していかねばなるまい。


自らの意志を捨てて他者(平和を愛する諸国民)に依存した奴隷的生き方。
占領憲法(現憲法)に謳われるこの精神が生んだ数々の弊害が今露呈しておりTPPの扱い方にもそれが現れている。

将来に向けてこれ以上の恥を積み重ねるのは堪え難いことである。
目覚めよ日本国民! 自立せよ日本!

(写真:ミソサザイ)

言論統制の時代

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◎ 異様な結末へ

俳優の高岡蒼甫さんがツイッターでフジテレビの「韓流」への異常な傾斜ぶりを批判した。
それが「騒動」そして「謝罪」となり所属事務所から「契約解除」となった。
さらに今日の報道では妻の女優・宮崎あおいさんとの離婚も秒読みだとか。

『騒動は23日、「正直、お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。
韓国のTV局かと思う事もしばしば。うちら日本人は日本の伝統番組求めてますけど」
と韓国関連の番組、フジテレビの姿勢を批判したことから勃発。
その後も「1人の勇気は必ず大きな力になり必ず売国を食い止める事ができます」
など持論を展開した。』 (10/21 スポーツ報知より)


芸能界や高岡氏のことはあまりよく知らないが、一般常識で考えて
善良な一人の男性の人生を大きく傷つけるほど非難されるべき発言とも思えない。
下品な表現もないし、かなり気を遣っているこの青年の誠実さを感じる。
ツイッターの会話調(口語体)はあまり好きではないが悪意は感じられない。
これがなぜ「大騒動」になるような問題なのだろう。


フジテレビの番組枠に韓国モノが急激に多くなったのは客観的な事実だ。
そして「韓流」の過熱ぶりに違和感を持つ国民は決して少なくない。
高岡氏の感覚は健全で常識的だと私は思う。
むしろそんな素朴で率直な叫び(つぶやき)に過剰反応し、
ムキになって潰そうとする者たちの姿にこそ異様なものを感じる。
つまり「大騒動」にしたのはいったい誰かということだ。

◎ 外国勢力に支配されている日本のメディア

「フジテレビ」についてこんな話を聞いたことがある。
かつて堀江氏(通称ホリエモン)がフジテレビにTOB買収を仕掛けたことがあったがその時の取得株が後に大量に韓国筋に流れたらしい。

そのため今や同局の大株主の多くを韓国系の人たちが占めており
経営や報道姿勢もその影響下におかれているというのである。

実際、現在外国の影響下にある日本のメディアは多い。

その代表格はNHKで、中国共産党の意図を忠実に報道する姿勢が顕著だ。
『クローズアップ現代』ではあの天安門事件を「死者はゼロ」と報じたし
先年のNHKスペシャル「ジャパンデビュー」では台湾を意図的に反日に描いた。
日台の歴史のねつ造歪曲に対し台湾人を含む一万人の原告による巨大訴訟が
現在係争中である。渋谷放送センターには中国国営テレビの専用室もあるとか。
またNHK歴代会長は中国利権との深いつながりをもつ企業の出身が多い。

テレビ朝日は既知のとおり左翼思想を平然と口にする親北反日の放送局である。
そして今や比較的保守系であったフジまでが韓国筋に奪われた。

◎韓国や中国に媚びる病的な心理の根

これらは実に肌寒くなる状況だと言わねばなるまい。
在日韓国人は「日本が強制連行した弱い被害者」などではない。
韓国の国益のために組織的に動く一大政治勢力である。

戦前に自分の意志で日本に来た彼らは戦後もGHQに特権(賭博独占経営権など)を付与され税制優遇まで受けて日本社会に根を張ってきたのである。
私たちはウソの歴史を教わったので彼らの要求につい譲歩しがちだが本来まったくのお門違いである。

この心の病気が日本人全体を蝕んで韓国や中国に媚びる態度が後を絶たない。
野田首相の空虚な訪韓、それを持ち上げるマスコミの低質さ。
外国は日本人が覚醒することなく永久に自分たちに奉仕し続けるように
戦略的にマスメディアを取り込んで、国政から教育、お茶の間に至るまで
圧倒的な影響力で我々の思考を縛ろうとしている。それは間違いない。

◎日本人が日本を守れない異常さ

高岡蒼甫氏と関係者たちにのしかかり踏みつぶそうとする野蛮な力もそうだ。
彼は日本人としての素朴な違和感をつぶやいただけで韓流マスコミの逆鱗に触れて社会的に抹殺されかかっている。
日本人よりも韓国人を優遇し大切にするのが今の日本社会の空気だ。
こんな風にネットで細々とつぶやくしか彼の行為を擁護できない。

大げさでなく、私たちは情報戦争の最中にあるといってよい。
国民の油断と無関心で日本は連戦連敗、ボロボロにされるがままだ。
今こそ現実をしっかり勉強して目を開き、戦わなければならない。
武力を用いずに国家民族を滅ぼすのが情報戦争なのだ。


テレビの話に戻るが
日本人が日本人のために良い番組を作ろうと誠意を尽くした時代、
子どもから大人までが無邪気にテレビと向き合えた古き良き時代は
せいぜい昭和までで終わったと思う。

「テレビばかり見ているとバカになるよ」とは親が子によく言った台詞。

今はそんな生易しいものではない。
「テレビばかり見ていると日本がなくなるよ」である。

(写真:十勝岩内仙峡の秋)

「脱原発ブーム」いつまではしゃぎ続けるのか

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軽薄で無責任な情報の氾濫が、猛威をふるっている。
わが国のエネルギー政策の根幹に関する大切な問題が
「子ども達を守れ」、「原発のない安全な社会へ」
こうした抽象的で感情的なスローガンで覆いつくされている。

思考はヒステリックな「正義」の煙にまかれて機能停止し
本当に必要な現実的な議論ができない状況が続いている。


原発の存廃は、今後日本社会が凋落せずに存続できるかどうかの
極めて現実的な経済産業の問題である。

だが「放射線の恐怖」に関するニュースばかりが毎日流されて
原発廃止デモがいちいち丁寧に取り上げられるのに対して、
原発がいかに日本の産業に大事かという現実的な話は実に少なく
どうにか誰かの小さなつぶやき程度にしか聞こえてこない。
なんと不公平で偏った報道だろうか。

いつもそうだが日本のマスコミは事実を伝えるよりも
人々の恐怖心を煽ることが仕事だと思っているらしい。


ところで私は日本のエネルギーが原子力でなくてもいいと思う。
代替エネルギーがあるなら長期的な計画で原発を減らしていけばよい。
だが「危険だから今すぐ停めろ」とはひどいヒステリーだと思う。
太陽光発電など実現には何十年かかるか知れたものではないし、
これまで培った高い原子力技術の蓄積をあっさり放棄するなど論外だ。
それこそ子孫に申し訳がないだろう。

それにしてもいつまでこんな不毛な莫迦騒ぎが続くのだろう。
放射線を怖がる心理だけに囚われる知性の欠如を恥じないのはなぜだ。
こういうときこそ冷静に現実を見据えた政治を行わなければならないのに。
子を心配する母の心理、それだけでは一国の運営はできないのに。
日本人はなぜこんなに臆病になったのか。悲しい。

かつての日本人はこんなことはなかっただろう。
支那戦線を戦った私の祖父ならば何と言うだろうか。
「まず腹を括りなさい」
「このくらいのことでビクビクするもんじゃない」
というだろう。そう、少なくとも男ならそうでなくちゃ。


こういう乱世にはセコい悪が跋扈するものだ。
この夏、再生可能エネルギーを電力会社に買い取らせる法案が
菅直人氏と孫正義氏の会談から生まれてきたことは既知の話である。
(この日を境に菅氏は喜色満面で「脱原発」を叫び始めた)

大震災と原発の事故を、あくまで他人の不幸として受け止めて己の利益につなげようという卑しい商売根性が日本を食い物にしているように思う。

日本の自然を守るのは誰か

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夕張岳の沢(ペンケモユーパロ川)

先の小笠原諸島の世界自然遺産登録の報道は、近年の例に比して案外静かだった。

まず小笠原諸島はやはり遠い島であり一般の関心を惹きにくいことがあるだろう。
白神山地や屋久島、知床のようにブームになりそうもなく、震災後の世間の鎮静な雰囲気もある。あるいは「世界遺産」自体が早くも陳腐化してきたのかもしれない。

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メディアリテラシーと「内なる自然」

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6月2日、内閣不信任案は否決されましたが
菅内閣はようやく終焉へ大きく踏み出したと思います。

首相にとっては党内の造反を抑えた「勝利」でも
国民はその手法の卑劣さと醜さをしっかり見ていますから
そんな人間の末路は知れているものです。
8月退陣、今度こそ本人の意図とは違って現実になるでしょう。


さてここでは少し別の話をいたします。

今回多くのメディアが不信任案を「権力争いのゴタゴタ」と呼びました。
地方ラジオのDJまで「なぜ今、不信任案なんでしょうかね」と嫌悪を示し
視聴者のお便りも「被災者のことを考えて!」というものばかりが紹介されていたように感じました。

「被災者のことを真剣に思えばこそ一刻も早く首相交代が必要だ」という意見はなぜか急に影を潜めて、表立ってきませんでした。

この極端に偏った民主党擁護の報道姿勢は、09年の政権交代の時に
メディアの論調がみせた印象操作と同じ手法だと思います。
あのとき多くの国民が「自民は駄目」の執拗なイメージ刷り込みにやられて
熟慮もせず覚悟もないまま、新聞やテレビの論調に引きずられて投票した結果今の民主党政権が誕生してしまったのでした。

その後の民主党政権による日本の弱体化と劣化はご存知の通りの惨状で
残念ながらメディア工作に極端に弱い日本人の欠点が露呈した形です。


今の日本人のテレビや新聞への無警戒な依存ぶりは常軌を逸しています。
いわゆる世論はメディアが操作して作り出しているのが実態で
さらに外国がそれを利用して日本社会を操作している。由々しき状況です。

そういえば大学入試に朝日新聞の思想満載の『天声人語』が使われました。
朝日記者の思想を刷り込まれる子どもたちの将来が心配です。

それに新聞コラムなどは断片的文章のつぎはぎで、美文とはいえない。
あらゆる面で教育には不適当な代物といっていい。
日本人の新聞信仰はもはや病気の域にあると感じる事例です。


これも余談ですが
今回の不信任案否決の裏に外国の介入はなかったのでしょうか。
菅直人氏のこれまでの巧みな保身術は
ひょっとすると外国のspyによる入れ知恵なのではないか。
なぜかというと彼のやり方は日本人の常識では理解できないものが多い。
嘘をつくことが平気な神経、仰々しく空虚なパフォーマンス。
なんとなく2008年五輪の開会式と似たメンタリティが連想されます。
彼は外国人から多額の献金もこっそり受けていましたし
N.Koreaの拉致犯人釈放懇願書にも署名していたことを思えば
あながち的外れではないかもしれません。


さて話を戻すと
テレビや新聞の言説を自分の感覚よりも優先することは
言い換えれば現実よりもメディアの作る幻想を信じることであります。
そんな人が今の日本にはかなりいるのではないでしょうか。

架空の世界に心を遊ばせたまま、現実の世の中に興味を持てない人が。
いわゆる「ネットおたく」だけの話ではありません。
テレビを中心とした非現実的な世界も本質的に同じでしょう。

こんな精神のホルマリン漬け状態にならないためには
生々しい現実を自分の言葉で解釈しようとする態度が不可欠です。
テレビや新聞の報道記事は「誰かにすでに意味付けされたもの」であり
必ずもう一度自分の頭で考えて、意味をつけることが必要なのです。


戦時中の大本営発表は「国民を騙した」と悪し様に言われますが
それは今のマスコミも同じでしょう。
(いや、今のマスコミは米国や中国・朝鮮の意思に操られています。
誤謬とはいえ日本勝利を願っていた大本営発表よりもずっと悪質でしょう)

ともかく
メディアからはなるべく距離を取り、常に疑いましょう。
特にテレビの洗脳効果のすさまじさは心しておきたいものです。
テレビ漬けの幼児の脳の発達が阻害される事例は、大人でも無視できません。

というわけで私は必要最小限、なるべくテレビを見ないようにしております。
現実感覚を研ぎすまして、心を眠らせずに物事をしっかり見ること。
それは誰もが本来もっている力「内なる自然」の回復でもあります。
メディア惚けからの脱出は日本人に活力を取り戻すと私は信じています。
人生は自分の言葉で語ろう!をキーワードに頑張りましょう。

(終わり)

「内なる自然」への思い

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ブログは頻繁に更新するものだと
やる前には当たり前のように思っていたのですが
実はたいそう難しいことだなあと
やってみて気づいたのであります。

少しでもきちんとした文章を書こうとすると
論旨がなかなかまとまらず、思いが先走りがちで
何度も何度も校正、書き直しを繰り返して
そのうちに忙しさにかまけて放ってしまい・・

こんなことではいけない、と気持ちを変えまして
随分久しぶりの書き込みです。


先月HPのギャラリーを更新しました。
主題は『逍遥 ~内なる自然への旅』です。
年に一度の更新(決めたわけではありませんが)なので
いろいろ考えて構成しております。

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被災者の方々への哀悼と

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その時、私は北海道東部、早春の雪が美しく輝く知床の森の中にいた。

静寂の中に風の音と海鳴りだけがかすかに耳に響く穏やかなこの午後に
東北地方を中心に関東・中部を襲った大きな揺れを感じることはできなかった。
撮影中は情報隔離状態の私が今回の事態を把握したのは、翌朝になってからだった。


本州の家族親族の無事が分かって安堵したものの、被害の実態が判明するにつれて暗澹たる気持ちになる。

同情ではない。突然に非日常に投げこまれ、問答無用の現実に命を曝されている被災者の心境をいくらリアルに想像しようとしても出来はしない。
もし私に被災体験があったとしても「今このとき」の彼らの必死の思いを共にできるはずもない。

ただ、大切なものの一切を失ってしまった彼らを待っている堪え難い空虚と絶望を想うとき、この世に生きていく誰もが逃れようのないある種の悲哀が強く胸を締めつける。


日常は突然前触れもなく非日常に変貌した。その過酷な現実に思いを馳せるとき今自分がここにあたかも部外者として存在していることの意味を考えざるをえない。

自分が当事者でないことには何の必然性も合理的理由もないからだ。

人間社会とは何と危うい微妙なバランスの上にある存在なのだろうか。


札幌に戻ってきたのが13日、こちらは幸い何事もなかったかのように動いている。

歴史上希有なこの自然災害で心ならず鬼籍に入られた方々のご冥福を心からお祈りする。

そして困難な復興に立ち上がるすべての同胞とその心を合わせ支えんことを願う。

充実した紀元節の一日

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今日は日本の建国記念日、大変めでたい日である。
昔は紀元節と呼ばれており、それこそ国中挙げてお祝いしたという。

だが今はどうだ。三連休となれば「何をして遊ぶか」ばかりだ。
祝日だというのに、祝いの雰囲気は皆無。
街を歩いても国旗を掲揚する光景にまったく出会わない。
おかしな国だ。心の軸が何重にもねじれているようだ。

**
大通は7日から開催中の雪祭りの見物客でごったがえしている。
前日の雪の予報をものともせず青空に恵まれ、大層な人出だった。
昼頃、私はロイトン札幌ホテルに足を踏み入れた。

日本再生を目指す国民運動のひとつ「日本会議」主催の式典
「建国記念の日 奉祝道民の集い」に出るためである。

《式典》

壇上正面に大きな日章旗が掲げられていた。
閑散とした会場が次第に来賓で埋められていく。
60歳以上の年配の方が殆どと見受けたが、中には若人もいた。
仲間同士で誘いあってきた者、独り静かにきた者。
この厳粛な会場に自ら足を運んだ人々に明朗誠実な強さを感じた。

自然な愛国心に触れるのはよいものだ、とても清々しい気持ちになる。

オープニングセレモニーには、伝統舞楽の福井ばやしが披露された。
350年前、今の福井県にあったお宮が発祥の地という。
開拓移民とともに札幌に渡り、保存会が守ってきた。
笛と鉦の奏でる神事空間の中に、大小6つの太鼓の響きが空気を震わせる。
高天原へ通じる扉を開くかの如くに、太古の血を沸立たせるリズムと力感。
15分ほど休まずの演奏に、こちらも体温が確かに上がった。

皇居・橿原神宮遥拝、国歌斉唱と続き、日本会議北海道本部理事長による式辞。
また明治天皇御製を歌い上げた祝吟は素晴らしかった。

《明星大学教授・高橋史朗先生による講演》

「『教育の危機を救う』伝統的子育て」と題した興味深い講演だった。
現在の日本の教育と子供たちの置かれている惨状に対する深い憂慮と考察、
特に学級崩壊や非行、不登校などの問題が子供の幼児期の育て方による発達障害と密接に関わっていることなどを脳科学の研究をひいて明快に説いて下さった。

日本人の「恥の文化」を身につけることが出来るのは2歳から3歳まで、
そこを疎かにすると他者との共感性を欠いた非常識な人間に育つとのこと。
ゆえに学校で道徳教育を導入してももう遅い、親が変わらなければだめなんだと。

至極もっともである。子育ての仕方を知らない世代が親になって、日本の子供は一気に発達障害が増えたのだ。

《愛されない不幸な子供たちの国・日本》

高橋先生の話の中に信じられない本当の話があった。
子供の名前に親が願いを込めるのは、もう「昔の話」らしい。
とんでもない名前、先生が読めない名前の子が入学してくるという。

「光宙」と書いて「ぴかちゅう」という名の男の子
「愛猫」と書いて「きてぃ」という名の女の子
「強運」と書いて「らっきー」という名の子
「一二三」と書いて「ワルツ」という名の子・・・

冗談ではない本当の話だとのこと。背筋が寒くなる思いがした。
常識もルールも何もない。あまりにひどすぎる。
こんな学校の先生は気が狂ってしまうのではないかと心配する。
ある子供の作文でこんなのがあったらしい。
「大きくなったら法律家になりたい。親のつけた名前を、子供は自由に変えてよいという法律をつくりたい。そして変な名前をつけた親を有罪にして罰金をうんと取る法律を!」

なんてひどい国になってしまったのだろう、わが日本は。
親に愛されず、おもちゃにされるだけの子供たちが急増している。

かつて世界一幸せな子供たちと言われた江戸期の日本の子供たちは
150年たって、今や世界一不幸な子供たちと言われている現実。
あまりに不憫であまりに残酷な話だ。

非常識で幼稚な親たちを「大人」に仕立て直すしかないのだ。
日本が立ち直るか滅ぶのか。われわれは崖っ縁に立たされている。

《パレードで解散》

講演が終わり、紀元節奉祝歌を斉唱して式典が終わった。
その後は有志参加の奉祝パレードに、日の丸の小旗を持って加わった。

大きな雪像が並ぶ大通公園の脇を、「おめでとうございまーす」の声を挙げて道行く人々にも「今日は日本の国が生まれた日なんですよ、みんなでお祝いしましょう」というメッセージを伝えながら歩いたのである。

少々気恥ずかしいが、自分が日本人であることを改めて感じ嬉しくなる。
なかなかよいものだ。

みなさんも、よかったら日本会議に入会しませんか?勧誘ではありませんけど。

「北方領土の日」に寄せて

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2月7日は「北方領土の日」ということで、10年以上も前にNHKで放送された
「北方四島の自然」という番組のビデオを引っ張りだして見た。


四島の中でも、国後島の爺々岳山麓、原始の森の美しさが素晴らしい。
80%を針葉樹が占める針広混交林に、北海道では絶滅あるいは稀少に
なってしまった動物や植物が豊富に生息している。

特にシマフクロウ、ヒグマ、クマゲラなどの多さには驚かされる。
道内ではもう見られないグイマツもある。

ロシアのサハリンテレビの撮影で作られた、当時の貴重な映像を眺めながら
今もこの豊かな自然が変わらずに残されていることを願わずにはいられない。

**
北方四島には江戸時代以前からの日本人の生活史があることを思うと
改めて「何としても取り戻さなければ」との思いが込み上げてくる。
敗戦時のどさくさに不法占拠されたまま、何もできないとは情けない。

なぜ2月7日が「北方領土の日」に制定されたかというと、
幕末の1855年(ペリー来航の2年後)のこの日(旧暦12月21日)
日魯通好条約が結ばれて、北方四島が日本領として確定されたことによる。

これ以後、両国の国境は何度も変わったけれども、四島は一貫して日本領土
だった。

**
ロシアは今、国内状況はボロボロらしい。貧富の差は限界に達し人心は荒廃、産業も財政も軍事も破綻寸前の危機的状態だという。
これまでも日本の経済援助、資源開発援助を求める手段として領土返還をエサにちらつかせてきたが、今後はますます顕著になるだろうという。

まったく残念だが外交センスも国益意識もない今の政権ではそんな死に体のロシアにすら利用されるだけだろう。
だがいずれまともな日本政府ができた暁には、冷静な戦略をもって平和的な形で領土を取り戻す交渉ができると思う。

傲慢なロシアに臆せず、友好の嘘でごまかしたり裏取引で妥協したりせず
きっちりと獲るべき実を獲る、強い交渉が。
そんな日がくることを信じている。

それまで元島民の方がひとりでも多く長生きして下さることを切に願う。

(写真:国後島の夜明け)

タダほど怖いものはなし(慨嘆)

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小生の住む札幌市では今年から「子宮頸がん予防ワクチン」の接種が無料化された。
これまでは自費負担で5万円かかる高価なもので、ありがたいと喜んでいる親御さんも多いかもしれない。

だが、しばしお耳をお貸しいただきたい。
このワクチンに関する情報は、かなり偏っていることにお気づきだろうか。
本来肝心の「安全面」に関しての説明がほとんど報道されておらず、
「無料」ということだけが強調されているように思われないか。

(ウチには女の子はいないけれど)気になったのでちょっと調べてみた。
するとやはりこのワクチンはかなり問題のある代物であることがわかった。
心ある人たちが今懸命にこの危険性を声を上げて訴えている実態に出会ったのである。

**
専門的な詳細は別途ご覧頂くとして、心配な点をかいつまんで説明しよう。
まず大きな問題は、ワクチンに含まれるアジュバンドという成分だ。
これは実はペット(犬や猫など)の去勢・避妊薬としても使われており、
専門家はこのワクチン接種によって女性が妊娠能力を失う危険性すら指摘している。

またこのワクチンはカナダでは既に使用禁止になっているという。
副作用による死亡例もあるらしい。

普通に考えて、これだけでも接種を控えるべき理由としては十分であり、
なぜ札幌市や厚生労働省は安全性の議論を敢て無視して接種を奨励するのか不可解だ。
国民の健康や安全を軽視する無責任な態度だと言わざるをえない。


先日、札幌の保健所の方がラジオの番組で言っていた。
HPVはそもそも女性のほとんどにいて、90%は自然に消滅していく。
残り10%の人のうち運悪く子宮頸がんが発現するのは1割ほどに留まるらしい。

その後研究が進み、現在ではHPVウイルスは子宮頸がんの主な原因とは
いえなくなっているとのことだ。ワクチンもHPVに対し6割程度の効果しか
期待できないという。

さらに、HPV(ヒトパピローマウイルス)には種類がたくさんあって、
この輸入ワクチンが効果を上げるとされるウィルスの型は欧米人には多いが日本人には少ないタイプだという。

つまり大和撫子には役に立たない薬を、税金を使って大量に輸入している・・・
喜ぶのは薬を売る外国製薬会社のみだ。

**
わが国では子宮頸がんにより年間3000人以上が死亡している。
この数字は痛ましいし、何とかしなくてはいけない。
だがこのワクチンをあたかも救世主として仰ぐほど無意味なことはあるまい。

以上述べたように危険が多いだけで効果はほとんどない代物なのだから。

子宮頸がん自体は、検診で早期発見をすれば治療できるものだという。
ワクチンは副作用のあるもので、ゆえに「劇薬」に分類指定されている。
安全性を考えて、むしろ定期検診を周知し充実させる方策を考えるべきであろう。

手軽な劇薬をみんなで接種する方向を奨励するのは、やはりおかしい。

げに恐ろしきは無知なる善意
宝珠の無垢な乙女らを危きにさらして
「われ善を為せり」と悦に入るこそ浅はかなれ
市政の軽薄、偽善の姿ここに見たり

このワクチンを全国で無料にするべく運動している人たちがいる。
単なる無知によるものなのか、それとも恐るべき悪意があるのか・・・

いずれにしても賢明なる我々国民はこのワクチン接種は避けるべきであろう。
まさに「タダほど怖いものはない」のである。

(写真:芦別岳と空知川冬景色)

※上で紹介した詳細は以下で見られます、ぜひご覧いただき共に考えて下されば幸いです。
(URL全体を指定して右クリックからブラウザを開いてください)

○ ワクチンによる危険について知らせる動画とブログ↓
チャンネル桜「(薬害の恐れ)子宮頸癌予防ワクチンの危険性」H22/7/29

「サーバリクス子宮頸がんワクチンによる民族浄化」弁護士 南田喜久治氏

ブログ THINKER 「子宮頸がんワクチンの危険性」
http://www.thinker-japan.com/hpv_vaccine.html

ブログ「老婦人の日記」(子宮頸がんワクチンを打つのは待って下さい!)
http://blogs.yahoo.co.jp/sannsyou91/25334920.html

○こちらはワクチン接種を奨励する記事↓
徳島県医師会
http://www.topcs.or.jp/special/122545452297/2010/05/2010_127336861757.html

リポンムーブメント(女子大生によるワクチン接種奨励運動)
http://ribbon-m.com/

○ 参考
新型インフルエンザに関する記事
「待って!そのワクチン本当に安全なの?』

外国の製薬会社と利権絡みで、またぞろ汚い世界が動いているようです。
日本人は危機感が薄いので世界中からカモにされているのでしょう。
薬害エイズの教訓です。厚生労働省もあてにはならない。自分の体を守るのは自分。