主権回復記念日によせて~その意味を考える

130428-090804-D-121
占領が終わって日本が独立を回復した61年前の本日、4月28日。
現在のわが国を正しく認識し、今後の展開の方向を予見する人たちには、
静かに催された今日の式典の意義が分かっているだろう。

この安倍内閣が今までの政府(自民、民主問わず)と違う、かなりまともな政府だと
やや新鮮な驚きとともに、多くの人は好ましく感じていることと思うけれど、
今回の「主権回復」を記念するということに対する理解は、残念だが十分とは思われない。

あの7年弱の占領期間においてわが国がどのような状態にあったのか。
国家が主権を失う、或は回復するということの意味を考えたことがあるだろうか。
これほど重要な出来事に無関心なままで、その子孫は安寧に繁栄できるものだろうか?

今、日本には、ひとつの大波が起こっている。
「戦後レジーム脱却、日本を取り戻す」を掲げる安倍政権への高い支持率が示す国民の思いは、
おそらく本人も無自覚な部分で生じた「もはや堪えられない戦後への違和感の爆発」に違いない。

私の経験から思うのだが、もし被占領期間中にGHQが行なった政策の意味を、
きちんと学校で教えるようになれば、優秀な日本国民は必ず目覚める。
そして日本が力強い国に戻っていくための道を見出すだろう。

60年前、占領軍(GHQ)は大規模かつ徹底した報道の検閲、七千冊の既刊図書の没収、20万人の公職追放などの未曾有の「国家改造実験」を行なった。
そして、過去の記憶を日本人の意識から消し去ることに成功した。
目的は日本人を二度と白人に対抗できない隷属的な民族に作り替えることだったという。

例えば
明治日本の軍隊の世界一の規律正しさ(1900年 義和団事変で世界的に評価された)。
当時の白人諸国の容赦なき圧力に対する、みなが抱いた戦いへの悲壮な運命観。
支那や朝鮮に対する「侮蔑感と仲間意識が混じった」親近感のようなもの。
ソ連の共産主義への困惑と、迫り来る世界同時革命の恐怖の実感……

いずれも戦前の誰もが知る、リアルな記憶、国民の誇りや怒りの感情である。だがそれらが意味するものを深く考える機会は、戦後ずっと失われたままだ。

私たちは自己の一部を成しているはずの「民族の記憶」が消されていることに気づいていない。
日本人が日本の歴史を知らないことに疑問を感じていない。
普遍的な科学知識と、外国の流行に耽溺し没頭することで、
恰好のいい「現代人気分」に酔っている。

伝統を面倒がり嫌って遠ざけ、お手軽便利な舶来ものに垂涎する。
「新しいものだけでいい、昔を知る必要はない」と信じ込んでいる。
先人の努力も、博物館のガラスケースに並べて観賞するだけ。まるで他人事だ。
こんな人たちを日本人と呼ぶのは変だらう。

その最たるものは、わが国の「神話」についての無知と無理解であろう。
神話を古代人の非科学的な妄想とだけ決めつけて無視し、子どもにも教えてこなかった。
確かに神話を知らずとも生活はできる。だがそれで本当にいいのか。

「12~13才までに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅びている」

このイギリスの歴史学者アーノルド.J.トインビーの言葉をご存知だろうか。
民族の神話は、いわば心の拠り所、見えない心の「クニ(故郷)」なのだ。
現代日本人の空しさは、民族の神話を失って漂流する根無し草の姿ではないだろうか。

かつて日本と戦ったアメリカは、その強さに驚き、心底恐れた。
彼らはわが国の精神力の源が神話に基づく皇室信仰にあることを見抜いて、
神話教育を真っ先に禁止したのである(神道指令)。

この4月28日の意味付けは、人によりいろいろある。
私にとって「主権回復記念」は、「占領されていたことを忘れるな」という意味だ。
つまり伝統を踏まえた自主憲法を制定して、自前の軍で国を守り、米軍基地をなくす、本当の主権回復への一里塚、という認識なのだ。

沖縄で反日左翼が一万人動員して叫ぶ。「4月28日は沖縄を切り捨てた屈辱の日だ」と。
それもよかろう。だが主権回復なくして沖縄返還交渉自体があり得なかった以上、この日を記念する意義を普通の人なら理解するはずだ。

安倍首相は沖縄の苦難の歴史に思いを致そうと国民に訴えたいと語った。
私たちもまた己の無知と無関心への反省が求められる。

沖縄の大半の人は道理をわきまえた普通の人たちである。
TVに映る反米デモ、政府に噛み付くばかりの闘争的な連中は実は本土から集結した全共闘崩れ、左翼思想のかぶれ者ばかりだという。
彼らの闘争の凶悪下品さを見れば、さもありなん、である。

今日の式典には、天皇皇后両陛下のご臨席を賜った。
この国家を挙げての重要な式典を、しかしNHKはなぜか中継していない。
(同じ時間にBSではなんと「姜尚中といく旅」のしかも再放送)
この前は韓国大統領の就任式を80分もライブ中継して国民の顰蹙を買った。

このNHKという放送局も、いわばGHQ検閲の置き土産である。
その売国的な本性がついに露になってきたということだらう。
明日は「昭和の日」。GWは忙しい。

主権回復記念日によせて~その意味を考える” に1件のフィードバックがあります

  1. 清水の

    主権回復記念日について沖縄の人たちが複雑な思いを抱くのは致し方ないこととは思うのですが、では、当時他にどんな途があったのか、NHKに訊いてみたいです。まさか、お願いすれば沖縄も含めて返してくれたと考えているのでしょうか?
    (13/5/14  06:06)

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください