憲法記念日に思う(保守派への大疑問)

◆5月3日を祝日としていいのか?

5月3日はいわゆる「憲法」記念日。休みでもこの日だけは素直に喜べません。

なし崩し的に、とうとう71年目を迎えてしまったGHQ製の「日本国憲法」!
この占領基本法の施行日である1947年の5月3日を記念する日なのですから・・

正直言えば、私たちは「憲法」を守ってきたという自覚はなく、無視してきた、つまり無関心だったというのが実態ではないでしょうか。

しかし無関心でも法治国家体制である以上、すべての法律がこの「憲法」に土台をおいています。
我々が無視(放置)しても、我々自身の生活が根本から影響を受けてきたことも事実なのです。

つまり「無関心」ではいられるが、「無関係」ではいられないということです。

「日本国憲法」が「敵国が占領中に作ったもの」だということは、今や多くの知るところでありますが、その内容と目的が「日本人を愚民化して支配する」ことにあり、そのための条文が多く盛られていることを、どれだけの方がご存知でしょうか。

あの戦争のあと「連合国や占領軍は、悪い軍国日本を(民主主義の)よい国にしようとしたのだ」と誰かが言い出しました。
こんな一方的で独善的な宣伝を信じるものは、当時の日本人には誰もいませんでした。
しかし占領が続き、その後も平和が続くと、みんな日常に溶け込んで戦争のことを忘れて「これでいいのだ」となってしまったのです。
ついこの前の戦いに散った同胞の思いをあっけなく忘れて、敵の言い分を受け入れてしまったのです。
みんなで一斉に、無数の日本の祖先を裏切って、只今の権勢を誇る連合国に寝返ったのです。

◆ 「日本国憲法」の罪状

私は、戦前の日本はまともな国家だったと思います。国際政治面の未熟さは否めませんが、少なくとも国民の常識と倫理は極めて強く健全でした。

今の日本は頭のおかしい国家になったと思います。国際政治はますます盲になり、さらに私たち国民が公への責任感も見識も失い、ただひたすら、個人的なモノとカネに夢中という有様です。

この状態をいまだに「良い世の中だ」と擁護し続ける人々は、心と目の病気だと思います。
私たちの現実認識を歪め、日本を内外からボロボロにしてきた元凶が「日本国憲法」なのです。

では私なりに「日本国憲法」が日本人をダメにした点を思いつくままに列挙してみましょう。
少々表現が過激になる点は、危機意識と公憤の強さの表れと思し召して、ご容赦ください。

「平和を希求する国際社会」(前文)
非現実的な嘘八百。外国に対する正当な警戒心すら持てなくなって、わが国は外国勢力に蚕食され続けてきました。しかも現政権は外国人移民をどんどん入れようとしています。亡国の危機です!

「戦争放棄、戦力不保持」(9条)
言わずと知れた、日米安保条約とセットで「アメリカに日本国民の命を丸投げ」する条文です。
すべての日本人を無能力者扱いする、許し難く恥ずかしい条文です。無責任にもほどがあります!

「政教分離」(20条)
日本人の伝統に基づく公的な価値観(皇室信仰)を否定しました。共同体の心軸を失って人心は萎縮し倫理は乱れ、国民生活全体が漂流し衰弱しています。宗教否定は共産革命の常套手段です。

「婚姻は両性の同意のみに基づき成立する」(24条)
個人と家族共同体の関係性を無視して安易で無責任な結婚を奨励することになり、離婚も急増。
家庭崩壊、躾の消滅、子育ての無知と困難は少子化につながり、社会の基盤が揺らいでいます。

「最低限の生活を営む権利を有する」(25条)
個人の権利意識を鼓吹して自立精神を希薄にし、社会に甘える怠惰な風潮を増大させました。(現今の生活保護制度の悪用の実態を見よ!)これも国家を破壊する共産主義思想です。

「労働者の権利」を強調する条文
家族的な信頼関係に基づく日本の伝統的な会社組織に、本来なかった労使の対立を持ち込んだ。
ストライキや裁判沙汰が増大、働くことの意義が誤解されてきました。(労働は苦役・罰であるというユダヤ基督教的な労働観の影響)今、勤勉で真面目な日本人の美点が損なわれつつあります。

「憲法改正への理不尽に高いハードル」(96条)
事実上、改憲を不可能にする内容です。未来永劫、日本人を自立させないための束縛条項です。

この他にもたくさん、日本人を日本人でないものに作り変えるための数々の工作が盛り込まれています。
読めばわかります。「日本国憲法」は「日本ハ外国ノ植民地デス」という宣言文書なのだということが。
「憲法を変えると戦争になる」と叫ぶ人たちの短絡的な無思考ぶりは理解に苦しみますが、彼らは要するに戦後の占領体制下に順応して甘い汁を吸ってきた連中と、そのシンパということでしょう。自己保身のために、真実を捨て去り、考えることをやめた人たちなのです。

私は、良識ある日本人ならば「5月3日」に国旗を掲揚してはならないと強く思います。

◆本日の見聞録:「日本会議」が陥った倒錯

今日は日本会議富士支部主催の「憲法講演会」に参加してきました。来場者は300人くらいかなと思います。

有名なジャーナリストの櫻井よしこ氏や、安倍晋三総理のビデオメッセージが流されたあとで、
メインの講師には衆議院議員の杉田水脈さんが登壇、憲法改正を中心に女性の目線での講演をされました。
関係者の方々のお骨折りには頭の下がる想いです。

私は10年来の日本会議の会員です。壊れていく日本を少しでも立て直したいという思いを抱いて、
志を共にする仲間を求めて、この組織に入会しています。しかし・・

私は、日本会議は昨年の春頃から何だかおかしくなったと感じているのです。
それは彼らが支持する「憲法改正」について、その内容の激しい変化ぶりに現れています。

最初は自主憲法制定が目標だったのに、やがて「憲法96条(改正要件)の改正」、そして「9条に絞った改憲」そして「9条に3項を加える改憲」という形で、どんどん後退していき、
ついには自衛隊を現状のまま憲法に書き込め!、という内容に変わってしまったのです。

ちなみにこの「3項加憲論」は安倍内閣の主張であり(現在3項ではなく2項ノ2と言っているようですが)、日本会議はこれを全面的に支持している様です。

◆「憲法9条1、2項を残したまま第3項を加える」?

第9条の第2項は「(略)陸海空の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めない」ですが、自民党案ではこの条項をそのまま残すのだそうです。

そのうえで第3項に自衛隊を明記するというのですが、どうですか?こんな欺瞞がありますか?
誰がみても、2項の戦力不保持と3項は完全に矛盾しますね。自衛隊は戦力ではないとでもいうのでしょうか?また余計な紛糾が起きることは火を見るより明らかです。

私のみならず、相当多くの方がこの案に強い違和感を覚えると思います。
また同時に、この案を強引に推し進める自民党、そして支持する日本会議の姿勢にも「疑義」を抱くようになるのではないか。

一番おかしい点は、自衛隊をそのまま憲法に書き込んでも、何ら現状の問題解決にはならないことを完全に無視していることです。
今の自衛隊は、警察権しか持たないので、危険に際しても自分から武力攻撃はできないのです。
実際ソマリアやイラクでは「憲法」の制約で武器が使用できず、自衛官は命の危険にさらされていたのです。
国際法で認められた軍隊であれば、そんな問題は皆無なのですが、日本だけが世界の常識に外れています。

国軍ではなく「自衛隊」を3項に書き込もうとする真意は何なのでしょうか。実に奇怪です。
2項を削ることに公明党が反対するからだとも聞きましたが、この大事をそんなことで決めてよいのでしょうか。

◆戦わずして後退を続けて、結局はアリバイ作りに終わるのか

ヴィデオの中で櫻井よしこ氏は優しく、噛んで含めるように視聴者に訴えます。

「今は戦後初めての改憲のチャンスなんです。国際社会は大きく変化しています。もう時間がありません。」
「改憲しないことで喜ぶのは中国やロシアです。この際、2項は残しても仕方ない。今は1ミリでも2ミリでも、とにかく動かすことが大事なんです」
「あとは、次世代、そのまた次世代に頑張って働いてもらいましょう」

私はこれを聞いて「何という不見識、なんという無責任!」と呟きました。

櫻井よしこ氏は、尚も優しく、噛んで含めるように語りかけます。
「1ミリでも改憲することで、『憲法は変えていいんだ』ということを国民に知らせることが大事なんです」と。(櫻井さん、国民は幼稚園児ですか?)

つまり「内容は不問だ、何よりも「変えた」という実績が大事だ」というわけですから、語るに落ちたという感じすらしました。
そんないい加減な改憲はするべきではない。国民を舐めているのだろうかと。

この案では自衛隊は半永久的に「戦えない戦力」として正式に憲法に刻まれてしまいます。しかも今度はわれわれ日本人自身の手で!
そんな取り返しのつかないことをして、あとは次世代に働いてもらいましょうだなんて、よく言えるなあと心底呆れました。
ところで、こんな無意味な改憲をして喜ぶのは誰でしょう?もちろん中国ですね!

◆「自称保守」たちの国民不信が暴走を始めている?

衆議院議員の杉田水脈さんまで壇上で叫びました。
「今が最後のチャンスなんです、これを逃したら今後また70年間、改憲はできません!」
だから9条2項がそのままでも仕方ない、悔しいけど仕方ない、3項に自衛隊を書きましょう!というのです。

本当に悔しいなら、議員辞職をかけて訴えるべき大問題だと思いますが・・
それに「今できなければ今後70年ダメ」という根拠は何なのでしょうか?

「決めるのは私たち国民です、みんな賢くなりましょう!」(櫻井よしこ氏)
ああ、賢い国民なら、この「加憲」論こそダメだ!と考えるだろうと思いました。

私の直感はこう叫んでいます。
「本筋を大幅に捻じ曲げて、国民を騙すようなことをして、なぜそこまで改憲の「実績」が欲しいのか?・・誰かに命令されているのか?(またウォール街の銀行家たちか?)目を覚ませ、国民に率直に言うべきときだ、安倍首相と同志の方々よ」と。

明らかに日本会議の面々や自民党議員たちは、国民を信用していないのだなと感じました。
というのも、杉田水脈さんがはっきりとこう仰ったからです。

2項を残す理由は、国民投票で否決されるのが目に見えているからです

つまり今の国民はみんな左翼メディアに洗脳されているから、憲法を改正すると戦争になって子供達が死ぬと思っている。だから国民投票で絶対に負けるだろう、というのですね。
でもこれは「国民の意識を変える」という意思を初めから欠き、現状に完全屈服した劣位戦思考そのものでしょう。
(ちなみに「改憲=戦争」という短絡思考ならば、2項を残そうが削ろうが同じではないか?)

◆焦って崖下に落ちるなかれ、今は状況を見定めよ

櫻井さんの仰る通り、国際情勢は大きく変わってきています。
しかしそれは、彼女の言うような危機ではなく、むしろ日本にとって好条件になってきているのです。
元ウクライナ兼モルドバ大使の馬渕睦夫氏の見方が、私には腑に落ちます。

「グローバリズム推進の既存勢力は退潮しつつあり、今後は国家中心のナショナリズム時代がくる。今はその過渡期である。
米国のトランプ大統領の登場はその象徴だ。彼は日本は日本ファーストでやれと言っている。
これまで日本を抑圧してきた「戦後体制派」は退潮していき、今後は各国が自立する時代がくる」

つまり今後は今までとまったく違う世界になっていく、という馬渕先生の見方に私は強く同感します。
トランプ登場がなぜ世界を激震させたのか、それを考えることで、いま世界が大きな転換点にあることがわかるはずです。
英国はやがてEUを離脱します。ドイツもフランスも、イタリアもオーストリアも愛国的な政党が躍進しつつあります。
軍産複合体の「打ち出の小槌」だった南北朝鮮の対立構造も終わりです。世界をテロ戦争の恐怖で縛ってきたグローバリズム(金融資本支配)は、ついに終わるのです。
そして日本人は今度こそ、堂々と日本のために考え、ものを言えるようになります。
自らを卑下し、縛りつけてきた腐った敗戦国根性とは永遠にサヨナラです。

この視点は、従来流布されてきた世界観を見直し、ユダヤ人と国際金融資本に関わる歴史の実像を学びなおすことで得られます。
私にそれを教えてくれたのが、先述の馬渕睦夫元外交官の高いご見識との出会いでした。

残念ですが保守派国会議員の先生方はトランプ以前の世界の枠組みに囚われており、
世界で今まさに起きている大変動の本質を見ていない(見えない)のだと思われます。
従来の視点論点を一歩も出ずに、国民が世代交代に伴って覚醒に向かっている現実にも気付かず、
ただ「今しかない、時間がない」と今までの調子で焦っている。
自分たちが憲法を変える、そのことが第一目的になってしまったように見受けられるのです。

世界は大きく変わります。それは国際金融資本の支配力がトランプによって縮小したからです。
その結果、中共も北朝鮮も後ろ盾の力を失い、日本を取り巻く安全保障情勢が変わります。
現に今年、北朝鮮は一気に非核化へ動き出しました。中国は米国に貿易交渉で膝を屈しています。

こうした中、拙速に中身のない改憲を無理に行って次世代に重大な迷惑をかけることも敢えてするなら、もはや実績どころか恥の上塗りでしかありません。本当にそれでいいのですかと聞きたい。

今は腰を据えて、世界のこれまでと今後を腑に落とした上で、日本にとって最善の道を慎重に選ぶ姿勢が必要なのではないでしょうか。
これは私たち日本人の、生き方の根幹となるべき憲法をどうするかという話なんですから。

最後に一番言いたいことを述べます。改憲を叫ぶ前にするべき一番大事なこと。

安易に「国民はメディアに洗脳されて無知だから・・」という前に、安倍総理、自民党議員よ。
あなた方は一体、一度でも正面から日本の現状を国民に説明して、真剣に訴えたことがあるのか?と。
いつだってマスコミを恐れて腰の引けたことしか言わず、口裏を合わせて先送りばかりしてきたではないか、と。

首相が言えないなら、保守の議員先生方は国民の洗脳を解くために、議員バッヂを賭して占領憲法に関する真実を熱く語り、お茶の間に直接知らせてほしい。
選挙で選ばれた者として、卑劣で姑息なマスコミと堂々と戦う勇気と尊厳を見せてくれ、と切に願います。

そして櫻井さん、我々国民は真実を知ればちゃんと考えられるのですよ、と申し上げておきます。

(終)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください