十勝岳のキタキツネ

090922-D-240

白金温泉付近のキャンプ場で迎えた朝は
小雨が上がった雲間から青空が見え隠れ。
秋風の冷たさの中、日差しのぬくもりにはまだ夏の名残り。

さわやかな大空に弧を描くのは 三羽のトビ。
上富良野の黄金色の田や、収穫の終わった畑を
上空から餌を探しているのだ。

昨年11月の雪山研修以来、約一年ぶりの白銀荘で
お湯を頂く。連休中で洗い場の混雑はすごい。

ここの露天風呂の雰囲気が好きだ。
39、44、46度Cの三種類の湯がある。
真冬なら46度にも入れるが、今は39度が精いっぱいだ。

白銀荘を後に、十勝岳温泉凌雲閣へ。
十勝岳、上ホロ、富良野岳への登山客で賑わっている。
昼過ぎなので、早くも下山してきた人たちだろうか。
今日みたいな天気は絶好の登山日和だ。
さぞ気持よかったろうな。

駐車場にキタキツネが現れ観光客の耳目を集めている。
餌をやらずに写真だけ撮る。キツネはもちろん餌を
期待しているものの、微妙な警戒心は捨てずにいる。

***  ***  ***

人間と野生動物の距離についてはいつも考えさせられる。
「餌をやるとキツネは自活できなくなる」というのは通説だが
「夏は餌をもらって冬は自活!」というしっかり者は確かにいる。

思うに
餌をねだる動物を遠ざけるという優しい配慮の本質は
人の子供の躾(しつけ)をそのまま当てはめるようなもので
人の自己満足に過ぎないのではないか。

そもそも野生を失うとは、一体どんな状況を指すのだろう。
彼らは自分なりにいつも真剣に生きている。
夏に餌を誰からもらおうが、冬には当たり前に自活する。
それが野生ではないだろうか。

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