つゆしぐれ東北の旅

※ 8/21「昨今の状況について」に続いてUPしました!

🔹日本の原風景

空気のこわばりに、負けてたまるものか!というわけではありませんが
梅雨のさなかの6月末から二週間ほど、東北地方を歴訪して参りました。

二月以来の東北行脚です。(五月も予定がありましたが、空気に鑑みて自粛しました)
私にとって東北地方の魅力は何気ない普段の風景にあるのです。

美しい里山と杉林、神秘的なブナの森、深く青い湖沼の数々
青空を映して広がる水田、畦道に咲くツメクサ、蛙の声。
峠の紅葉を照らす夕日、落葉が倒木に溜まった晩秋の川の静けさ。
野山が雪に埋まる冬、吐く息も凍る寒さ。雪に点々と動物たちの足跡
雪解け、朝露の輝く小さな花芽、やがて夢おぼろに咲き匂う 山桜たち

東北の四季の光と風には、なつかしい匂いがいっぱいです。
それは祖先から受け継いだ「本能的な喜び」を呼び覚ます気がするのです。

日本好きの外国人は、有名観光地よりも田舎のなにげない風景に魅力を感じるそうです。
彼らの感性が偶々日本人に近いというよりも、世界に稀な日本の風土の理想的な快適さに
一度でも日本を知れば、誰でも日本に住みたくなるのだと思います。

山間の田と桜(東由利)

奥入瀬渓流の秋(十和田)

内陸線列車(仙北)

🔹関東・東北が「日本の起源」

「私はとりわけ、縄文・弥生時代の日本列島の人口分布の推移に着目しました。
縄文時代を通じて、日本列島の人口は、その90%が関東・東北に集中していました。
日高見国は、まさにこの人々の国であり、古事記・日本書紀に描かれた神話は、まさにこの人々の歴史だと考えます。
日本の中心は日高見国として関東・東北にありました。高天原は関東にあり、アマテラスは関東を本拠とする太陽神であり、国譲りは関東勢力による統一事業であり、天孫降臨は関東から西国に向けて行われた遠征事業であり、神武天皇の東征は九州を起点とする戦略をとった関東勢力による再統一事業と思われます。
これらの論はすべて、この2〜30年に発見された、あるいは明らかにされた事実、事物を根拠としています。統一事業は、大陸の政治的情勢ともリンクしています。日本の神話には、実に歴史が描かれているのです。いままでの日本の歴史は、ここから大転換することになるでしょう。」
(田中英道 著『日本の起源は日高見国にあった』P19-20 序章より抜粋)

田中英道先生の著書から、少々長く引用させていただきました。東北は日本の原郷なのです。
学問的検証をしっかり経たこの田中説に私は強い感銘を受けました。
縄文日本は遅れた原始時代ではなく、世界の人が憧れてやってきた「太陽の昇る国」でした。
縄文土器が、環太平洋の島々や北米、南米、さらにアフリカで出土している事実を教科書に載せるべきだと思います。縄文の日本人は世界中とつながり往還していたのです。
祖先の姿を知ることは、自分の中に歴史的な時間軸とのつながりをもつことです。
それは心を安定させ、健全な心の成長に欠かせないものではないでしょうか。

然るに、戦後の自虐教育は日本人から歴史への誇りと感謝の気持ちを奪いました。
今や多くの日本人が「金に頼るしか生きる道はない」と思っているように感じます。
縄文弥生の日本人は世界に先駆けて高度な文化をもち、平和な祭祀国家を作っていたという事実は、私たちに自信と勇気を与え、祖先への素直な尊敬を思い出させてくれます。
それこそが私たちの心の復古再生であり、日本の将来を明るくする道だと信じているのです。

🔹今回の旅で生まれた作品

そんな東北地方への思いを胸に旅の中で出会った「日本」をご紹介します。

🔴 くろくまの滝(青森・白神山地)

高さ85m 青森県内で最大級の滝

観音菩薩の合掌姿として信仰されてきた

🔴 月山の夕暮れ (山形・鶴岡市)

月山八合目より日本海を望む

🔴 森吉山/花と子グマ (秋田・阿仁)

コイワカガミ(森吉山ヒバクラ道)

雨の夕方 子グマに出逢った

🔴 羽黒山/五重の塔(山形・鶴岡市)

雨の羽黒山にて/平将門の創建と伝わる五重塔

🔴 十三湊とさみなとの夕暮れ (青森・十三湖)

津軽十三湊の黄昏/鎌倉期、安東氏のもとで隆盛した北の港

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