波乱の向こうに 令和の夜明け(1)

明けましておめでとうございます。

今年こそ元旦の更新を!と思いつつ、お正月気分に連戦連敗。
ようやくPCに向かって文を綴ることができました。
今更気負うこともないので、今年も緩くやってまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年は平成が終わりを告げ、令和が始まりました。
年初にあたり御代替りを寿ぎ、11月の「大嘗祭だいじょうさい」から述べてみましょう。

伊勢神宮 外宮

大嘗祭を終えて真の天皇になること

5月に令和改元、10月に「即位礼正殿の儀」、全世界が日本の皇位継承を知りましたが
真の意味での皇位継承は「大嘗祭」の儀式をもって完成したのでした。
故・葉室頼昭氏(春日大社宮司)が著書で大嘗祭についてお書きになった文章を引いてみます。

「…天皇がご即位されていちばん最初の新嘗祭にいなめさいを、大嘗祭といいます。
…天皇がいわゆる大嘗宮のなかに入られて、天照大神に自らご飯を差し上げられて、そのご飯を天皇も召し上がる。
そして天照大神と一つになる。それが本当に天皇になられるという儀式なんですね…」

葉室氏は平成の大嘗祭のとき、宮家の方々の「衣装をお着けする役」で奉仕されました。
その時の体験を、こうお書きになっています。

「…大嘗宮のなかにはもちろん入れないから、その入り口で待っているでしょう。
そのときに、一つになられる前に入っていかれる天皇と、天照大神とご一体になって出てこられた天皇の違い、この威厳のすごさにみんなびっくりしました。
天照大神と一つになるというのは本当だなと思いました。
私だけが思ったのではなくて、そこに奉仕した人はみんなそう思ったのです。」

(葉室頼昭『神道 見えないものの力』春秋社 P162より)

このお話からは、政治制度上の天皇像ではなく霊的で精神的な天皇のお姿を強く感じます。
天皇は神道の祭祀を司る大神主なのですから、本来これが当然のことですね。

この一点をもって、わがご皇室が外国の王室(たとえば英国・スペイン、ベルギーなど)と本質的に異なることが実感されることでしょう。
他の国の王室は、民族の信仰とは関係ありません
ご皇室の存在はその意味ではカトリックのローマ教皇と比較されるものでしょう。

ご皇室は日本で最も古い家系であり、私たちのいわば総本家なのでして、
私たちの祖先を辿ると、全ての国民は天皇家の血筋につながっていると言われています。

このような君主と国民の関係は世界において類例がありません。
他国の古い家系ははるか昔にみな滅んでしまったからです。

GHQ占領軍司令部のブレーンに モルデカイ・モーゼという方がいました。
このユダヤ人の長老が1979年に著された本の冒頭に、興味深い一文があります。
ぜひ引用し紹介したいと思います。

「日本民族のもつ最大の財産は天皇制である。これは全く世界に類例のない偉大なものであり、人類の理想とするものである。
かつてユダヤ人の大思想家でフランス革命に大きな影響を与えたジャン・ジャック・ルソーは、かの有名な「社会契約論」で次の如きことを言っている。

「人もし随意に祖国を選べというなら、君主と人民の間に利害関係の対立のない国を選ぶ。自分は君民共治を理想とするが、そのようなものが地上に存在するはずもないだろう。したがって自分は止むを得ず民主主義を選ぶのである」
…」
『あるユダヤ人の懺悔  日本人に謝りたい』モルデカイ・モーゼ著 初版1979年 復刻版2019年 より

ユダヤの長老が日本の天皇に対して寄せた大なる賛辞は、非常に重要な意味があります。
GHQが昭和天皇を東京裁判の被告にしなかった真の理由もここにあるといえましょう。
あのルソーが、当時もし日本の国を知っていたら…
「書きかけの社会契約論など破り捨てて、ただちに東洋の偉大な君主国へ馳せ参じ」たであろうというわけなのです。
世界の指導者たちは第二次大戦後に初めて天皇の本質を知り、驚愕したのです。

モーゼ氏は「外国では日本のような君民一体の国柄は決してありえない」といいます。
外国では「君主とは人民を搾取する存在である」という理解が常識だったのです。

わが国の「皇室問題の専門家」たちは、テレビ解説でお決まりのように言います。
「新しい天皇のあり方を」「開かれた皇室を」「ヨーロッパの王室では…云々」
こういうトンチンカンな専門家などは 百害あって一利なしです。

彼らの解説は、日本に無知な外国人たちが皇室をあれこれ云々するのと変わりません。
戦後の教育は宗教や信仰を一切無視してきたので、その弊害の代表例といえるでしょう。
信仰心に 新しいも古いもなく、まして 閉ざされたも開かれたもないのです。

(東国三社詣)常陸國一宮・鹿島神宮 拝殿

伝統の意味をわきまえない安易で軽薄な行為


今般の大嘗祭で、大嘗宮の茅葺屋根が「経費節減のために」板葺きに変えられました。
噴飯もの、言語道断の仕業と思います。
皇室の伝統を守るべき立場の宮内庁が、長官自ら率先して伝統破壊のお先棒を担いだのです。
わが国の高級官僚がいかに無責任で国への敬意を欠いていることか…情けないことです。


宮内庁は19日、2019年11月に行われる代替わりの皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」の会場を前回の8割程度に縮小すると発表した。祭祀(さいし)の様式は踏襲しつつ「大嘗宮」の一部の建物をプレハブ化し、屋根や柱も安価で調達しやすい素材に切り替える(日本経済新聞 2018年12月19日 記事より)

この日経新聞の記事もひどいです。大嘗祭は「皇室行事」ではなく「国家の祭祀」です。
「会場」などと、まるでコンサートやイベントと同じ感覚で捉えているように感じます。

じつは茅葺は技術的にも費用的にも十分に可能でした。
清水建設が人も費用も出す、期日にも間に合わせるからと進言していたのです。
それを蹴って敢えて板葺きにしたのですから、宮内庁は初めから「簡略化」を決めていた。
その理由が「経費節減」なのです。なんというセコい根性、狭い見識でしょうか。

「前回は総額25億円かかったから」とか「どうせ三ヶ月で壊すのなら安普請でいい」とか言っていたらしい。これほどご皇室の伝統を軽んじた考え方はないでしょう。
物ごとの価値を 合理性と金額の多寡でしか考えられない、お粗末な人間が多すぎる
とくに政官財界の中枢を占める人たちの、精神の劣化が確実に国を衰弱させています。

(東国三社詣)下総國一宮・香取神宮 拝殿

昨年のご譲位に関してもひとつ。
宮内庁もメディアも終始「(生前)退位」という不適切な言葉を使いつづけ、さらに歴史上例のない「上皇后」「皇嗣殿下」などという新語を勝手に作って使っています。
多くの国民は「上の人が決めたことだから」と疑いもせずにいますが・・
皇位に関わる言葉を勝手に作るなど本来あってはならないことだという、日本人なら当たり前の感覚が麻痺しているのです。
(「上皇后」ではなく天皇のご母堂という意味の「皇太后」が歴史的に正しい尊称です)
秋篠宮殿下は正しくは「皇太弟」であり、悠仁親王殿下はやがて皇太子殿下になられる(立太子)のが本筋です。

それを阻み、どうしても愛子内親王殿下を天皇にしたい勢力が宮内庁にも入り込んでいます。
秋篠宮殿下を「皇位継承の可能性のある」半端な存在(いわゆる「皇嗣殿下」)としておき
悠仁親王殿下の立太子を遅らせ、愛子内親王殿下を皇太子にする工作の時間を稼ぐつもりかもしれません。
悠仁親王殿下を無視し続けている大手メディアの報道姿勢も同様の狙いでしょう。
「万世一系」の皇統を断ち、皇室を形骸化して日本を滅ぼそうとする勢力は、公的な場所に潜伏して、なりふり構わず工作を続けているのですが、私たちがこのことを知って意識することで、彼らの野望を挫きご皇室をお守りすることになりますし、それが日本の国を守ることになります。真相を多くの国民が知ることが大切だと思います。

男系継承を守ることが日本を守ること

年の初めの更新ということで、ご皇室のお話を申し上げました。
これこそ、我が国の存亡を左右する最も重大な、負けられない戦いだと思うからです。

天皇の「男系継承」が続く限り、私たちは遠い昔から続く日本人でいられます。
日本人が日本人でいられるなら、長い歴史を紡いできたその底力で、どんな国難も跳ね返すことができると私は信じますし、皆様もきっとそう信じておられることでしょう。

(東国三社詣)息栖神社 境内

ここ数年でテレビには外国人が出演する番組が激増したと感じます。
日本人と外国人のハーフのタレントが、雨後のタケノコのように出現しています。
これは明らかにメディアの意図的な世論操縦、洗脳工作だと思われます。

外国人と日本人の区別をしないように、ジワジワと私たちの頭を作り変えていき
日本にこだわる必要はない、世界はひとつになるのだという妄想を刷り込んできます。

これではいずれ、日本の歴史と文化はこの地球上から消えてしまうでしょう。
それでいいのだと平然と言う人たちが、グローバリズムを信奉する人々です。
メディアを握っている彼らによって、私たちは「日本を忘れさせられてきた」のです。
私たちは、これからは本気で、はっきりとNOを言わなければなりません。

ご高覧くださり ありがとうございました。
次回(2)では消費税10%の闇について、ささやかな私見を述べてみたいと思います。

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