静岡に帰ってきてひと月が経ち、日常生活にも慣れてきました。
そろそろ山の空気を吸いたくなり、山梨県との境の「安倍峠」に登ってきました。
祖母が俵沢という安倍川沿いの集落出身で、安倍奥と呼ばれる山域に私は強い思い入れを感じています。
だから静岡の山登りはぜひ安倍奥から始めようと決めていました。
▪️安倍奥・梅ヶ島温泉へ
新東名を降りて、安倍川沿いに上流へ40分走ると、秘湯「梅ヶ島温泉」に到着です。
鄙びた宿の軒先で、明るい日差しに紛れてふと頬に吹く山風の冷たさはやはり冬です。
空気の乾燥具合が、湿った日本海側の冬と全く違う気がします。
▪️安倍峠へ
登山口からの400m急登は、引越し以来まともに運動していなかった体にはきつい洗礼でした。
大汗をかいて1時間で上の林道に合流し、少し行ったところから沢沿いの山道へ下ります。
足首の上まで積もった雪の上に、週末の登山者と野生動物の足跡が交錯しています。
確認できたのはシカとキツネ、ウサギ。それとリスかな?というのが少し。
歩いていると斜面の樹々の間から「フィーッ」とシカの警戒する声が何度か響きました。
この日は出発が遅れたため13時の入山となり、あまり時間に余裕のない山行でした。
何とか15時に安倍峠に到着。展望を求めて南側のコブに登り返します。
雲を被った富士山が見えたときは何かほっとする気持ちでいっぱいになりました。
穏やかな雪の森の雰囲気は、北海道でいえば春、4月頃の印象です。
北と南ではこんなにも季節感が違うことに改めて驚きました。
- ヒノキと杉の人工林
- ここは静岡市の水源地
- 明るい雪の安倍峠
まずは冬の間に体力作りを兼ねた偵察山行を重ねながらこの地の風物や道に馴染みたいです。
そして五月頃からは南アルプスを訪問してみようと楽しみにしています。
(終)